板締め絞りとレーザーカッター #shibori. #portal_

二枚の図形をillustratorで作り、Maker Lab Nagoya
Maker Lab Nagoya - メイカーラボ名古屋レーザー加工機で切出し。手ぬぐいの端材で染の実験。カットラインはThingiverseで公開しています→
Cut line of Wooden pieces for Shibori, Tie Dye by ArimatsuPP - Thingiverse


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ドクロ交互パターン ー ウェット
版木を万力でゆるめに締め、一度、水の中へ。全体をきちんと濡らしてから青色のスレン染料へ約1.5分。

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クロスパターン ー ドライ
乾いた状態できつめに版木を万力で締め、さっと5秒ほどで同染料に。

水でしっかりゆすぎ、脱水機にかけるとこの状態。
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ウェットのほうが長くつけているので割とくっきり出ていますね。画像は少しコントラストを上げているのですが、それでもウェット状態で染色しているので畳み込まれた中のほうが薄くなっていることが分かります。薄くなることを見通して、ドクロのパターンを選んだのですがもう少し綺麗に出たらよかったかも。ほんでもって出来上がった後に、90度向きを変えたほうが良かったなと気が付きました。全体を染めすぎると薄くなりすぎるので、畳み込む回数を減らしたほうが良いのかなーともうので、また実験してみましょう。

続いてドライの方は、従来の雪花絞りっぽくなってしまいました。ドライで染色しているので、しっかり全体が染まっていますね。ドライで染色したので予想通りエッジがなくなってしまっていますが、ウェットにしたらエッジがもう少し出るのでしょう。ただ、こうした柄は板締め絞りには向かないのではないかなと思います。具象的な図柄を選ぶならば、これまでの伝統的な図柄にならないほうが面白いのかもしれませんね。板締め絞りをドライでやる場合、伝統的な雪花絞りなどを抽象的な版木でつくってみると思わぬ柄が生まれるかもしれませんね。ハンドドローイングとレーザーカッターは相性が良いので、実験してみてもいいでしょう。

分かったこと
・ウェットは畳みすぎると色がかすれ過ぎるので、調整が必要
・ドライは染料が染み込みすぎるので、アウトラインが消えてしまう

次はこうしたい
・今回は手ぬぐい幅(45cm)を四つ折りだったので、六折りの小さなパターンでつくりたい
・ハンドドローイングの版木で雪花絞りをつくってみよう

追記
二回目をやってみた。今回は挟む布を少なくし、染料を濃くしました。
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関連記事
『くそあつい』ので、シルクスクリーン×糊防染×有松絞り 手ぬぐい作ってみた #shibori. - ケンチククラブ
http://pnch.hatenablog.com/entry/2014/07/23/183624

『くそあつい』ので、シルクスクリーン×糊防染×有松絞り 手ぬぐい作ってみた #shibori.

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[FxxKIN' HOT くそあつい 西瓜]
 暑い。京都にいた時も暑かったけれど、やっぱり名古屋も蒸し暑い。Macbook Proも熱くて、冷却台なんてないかのように熱い。壊れそうな気がしてすごく心配だけれど、僕が働くこの場所には空調設備は小さなサーキュレーターひとつしかない。暑い、熱い。

 やり場のない思いをぶつけることが出来るのは、目の前にある大量の布だけだ。社内で進むプロジェクトの実験も兼ねて、雪花絞りと板締め絞りを作ってみた。手ぬぐいの規定サイズより少し小さいのだけれど、端切れなので仕方ない。まず、Illustratorで『FUCKIN' HOT くそあつい』のシルクスクリーン版を制作(前回のシルクスクリーン習作)。時短のために目測でセンター出し、場所決め、白インクで刷り出しを2本に行なう。続いて、下図のような丸を2つ重ねた図形の版を製作。ここでは、インクではなく、洗濯のりを使って『FUCKIN' HOT くそあつい』の上に図を刷り出す。ノリとインクを乾かしている間に紗を洗いましょう。この時期は乾くのが早いので、目が詰まりやすいですね、、
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[実験的に2つの図柄を使いました]

http://instagram.com/p/qyeHF6Ke58/
[シルクの版はこういう感じ]

 乾いたら次は染色です。今回はどちらも四つ折りです。一つ目は『雪花絞り』という技法を用いたもの。下図のように両端を余らせるように三角形のジャバラに折りたたみ、両サイドを三角形の板枠で挟み、万力で緩めに固定します。どぼんと両サイドを赤色、緑色の染料につけます。あとは開いて水の中でゆすぐと西瓜のような組み合わせの物ができます。シルクスクリーンにどれだけ染料が乗るのか試したのですが、緑色のほうが乗ってしまいました。つけていた時間は10秒程度です。ソーピングで表面を洗えば綺麗になるのでしょうか…。
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 続いて二本目は、割り箸を使った板締め絞り。下図のように今度は両端を残しつつ、正方形にパキパキと追っていき、折りたたんだほうを割り箸で挟み、輪ゴムでとめます。むらさき色の染料に30秒くらい浸けてまぜまぜします。すると、写真のような手ぬぐいが出来上がります。今回は、洗濯のりで防戦したのですが、温めた染料に溶け出してしまい、防染箇所の周りも染まりが甘い状態になってしまいました。ただ、これが付きを隠す雲のように見えたのでタイトル浸けにしました。
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http://instagram.com/p/qyXrenqe0p/
[FUCKIN' HOT くそあつい 朧月夜]

http://instagram.com/p/qyd_m2qe51/
糊防染したところをアップにしたのがこちらです。元の版のようにくっきりと出ているのですが、ぼんやりその周囲が問題ですね。。これは、ノリの濃度を変更したら改善するのか、それともこの箇所を最後に入れるのかというところで解決できるのかな。シルクスクリーンの技術を応用することで、表現の幅でそうですね。

良いものへの触れ方、向かい方

日中に流れてきた記事では、若者のハイブランド離れを嘆く声が聞こえてきた。服飾専門学校に通う学生がファストファッションを多く購入しているという数字と、それを説明かのように学生の懐事情についても触れられている。文末には、収入が少なくなりハイブランドを購入することができない、プライドもない若者というレッテル貼りと若者にものの価値を伝えられていないアラフォー世代の嘆き声で締められていた。⚪︎⚪︎離れを嘆く声はそこら中で聞こえている。若者に見る目がない、可哀想な世代、などと批判されても、全くそのことには批評がないのでつまらない。この価値観にはむしろ、これまでにないものづくりへの意欲を僕は感じる。

服飾専門学生の「よく買うブランド」ランキングに見る危機 | http://t.co/e75rNpfYJk http://t.co/ae1iEyPBP1

この問題は何も「良い物に触れずに育ってきたから、良い物がわからない」ということではないのではないだろうか。同じように「良い建築に触れずに育ってきたから、良い建築がわからない」というような批判も少なくないが、ハイブランド=いいモノ、著名建築家の建築=良い建築という図式が成り立っていた社会背景が今は移り変わっているということに過ぎない。

ファッションではリメイク・ユザラー、建築ではリノベーションが盛り上がっているように、既存製品や空間を改編し、私らしさを作り上げるDIY文化が日本でも進行しているということ。消費から改変へと意識が移ろうなかでプロシューマーが発生し、所有から共有へと移ろうなかでキュレーション能力が高まっている。よって、ハイブランドのプロダクト、有名建築家の建築というのは、コスト・改変性・流動性を考えると足かせとなることに気がついていのではないか。

「良い物がわからない」から購入しないのではなく、「良い物」郡を構築していく時に購入はひとつの方法でしかなく、むしろ、より効果的に「良さ」へ近づく方法として、制作や選択という手段を獲得したと見ることができるのではないだろうか。ただし、「良さ」という軸を作るためにハイブランドや著名な建築は、一つの判断材料と成りうるので、必ずしも切り離すことはできないが、それだけに固執する必要はない。対立だけでなく、両者の組み合わせからこれからの「良さ」が立ち現れることに期待したい。

カッティングプロッタを使ってシルクスクリーンの試作

カッティングプロッタSilhouette CAMEOを使ってシルクスクリーンをしてみた。

手順
0. 道具
1. 紗張り
2. 版作り
3. シルクスクリーン印刷

0. 道具

  1. Silhouette CAMEO…¥30k程度
  2. カッティングシート…¥1.5kで900mm*1800mmサイズをホームセンターで購入
  3. 枠を作る木材(サイズは適宜)…余っていた木材で0円(実質¥1k以下)
  4. 木材を留めるボルト…余って(ry
  5. 養生テープ…余って(ry
  6. シルクスクリーン用インク…amazonで¥1k
  7. シルクスクリーン用ヘラ…amazonで¥1k
  8. スクリーン(テトロン #120)…画材販売.jpで¥3k
  9. 木工用ボンド…余って(ry
  10. アイロン…家のやつ0円
  11. アルミ箔…家のやつ0円
  12. Tシャツ(刷るものに合わせて準備)…¥0.4k

――――――――――――
合計:¥37k程度
※CAMEOも持っていたので実質¥10k以下

1. 紗張り

 テトロン #120 を購入。木枠をボルトで留めて組み、紗を貼り付ける面に木工用ボンドを厚めに塗り、乾かしてから二度塗り。網に水をスプレーで吹き付けながらアイロンで角から四方を熱溶着していく。ボンドがアイロンについてしまうことがあるので、アルミ箔を被せて防ぐ。専用の機材とかあったほうがいいのかもしれないけれど、安くしたかったので購入せず。(割と力入れて引っ張りながらなので二人一組でやるほうが綺麗に貼れると思います。)

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2. 版作り

 Adobe Illustratorで適当に。版は紗の外側に貼り付けるため、最終案を左右反転させてCAMEOでカッティングシートを切り出す。外側に貼る理由は後述。なお、Core Drawや付属ソフトでも版は作成可能。Illustratorを使う場合、プラグインを使用することで直接書き出すことが出来る。

3. シルクスクリーン印刷

 紗の外側にカッティングシートを貼り付ける。内側に接着すると、ヘラでシートがずれる場合があるので注意。当然、転写シートがあると貼り付けやすい。余計なところにインクがつかないように養生テープを内側から貼り付ける。
 インクが裏移りしないように段ボールシートなどをひき、紗を所定の位置に設置。気持ち多めにインクを乗せ、ずれないように枠を手で抑えながらヘラでインクを上から下へ、下から上へ刷る、を二回行なう。枠を取り外し、インクが他所につかないようにしてインクを乾かす。その間にスクリーンを水洗いしておく。再利用する場合は、外側を洗うときは慎重にカッティングシートが剥がれないように洗うこと。スクリーンを乾かして使うこと。

http://instagram.com/p/pk9B-mKe62/
試しにTシャツへ刷りだしてみた。

感想

 手際が悪かったのか、カッティングシートの限界なのか、エッジが綺麗に出ていないことが気になる。実験で作成し、検討する分には問題ないけれど、よく見ると気になるレベル。ここは要練習かもしれない。
 カッティングシートで制作する良さは、簡単に版を作成できることに尽きる。データを残しておけば再利用も簡単。枠をひとつ作ってしまい、シートを剥がして別のを貼り付けることで色々な柄を試すことが出来る。少量多品種生産をする人にはぴったりのものといえるでしょう。

追記

着てみた

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CHABO勉強会 米澤隆氏レクチャー+水野太史氏常滑WSについて@京都

昨日は京都の向い、CHABOの勉強会で米澤隆さんのレクチャー+水野太史さんの常滑ワークショップに関するディスカッション。5時間くらいぶっ通しでレクチャーとディスカッションが同時に起きる知的空間が京都にあることが素晴らしいと強く感じる。

米澤さんの「つくる」と「生まれる」の間というテーマは、分節と構成によって配置され直した空間が、人の振る舞いや意識の移ろいをどう生み出し許容すことが出来るのかというお話だと感じた。許容という観点から見ると大屋根の建築を複数作られていることになるほどと思う一方で、そんなことしなくても人は自由に振舞い、勝手に改変し、乗り越えてきているのではないかという疑問も生まれた。きっとこの話は、米澤さんの博士論文と繋がるであろうから次回に深く伺いたいところだ。若くから実施設計をされ、叩き上げで今に至る米澤さんの背景や疑問意識には共感できるところが多々あった。同じ名古屋にいるので一緒に何かする機会を得たい。

常滑にある水野さんのおじさんが現在経営する製陶園をどう活用していくかというディスカッションでは、教授、建築家、編集者、リサーチャーとそれぞれの視座に立った意見交換がなされていてすごく刺激的な時間だった。単なるWSをやりましょうということだけではなく、工場の方向性や関わり方、その仕組をどうつくっていくのか、伝えていくのかという広がりのあるものになりそうだ。19歳まで名古屋に住んでいたけれども、常滑は帰国してから初めて行き、それから3回も行っている。非常にポテンシャルの高と感じる地域なので、僕自身も今後も関わっていきたい。

そんな場所を名古屋にも作りたいという思いから、来週末25日より連続トークを有松で行います。詳細はこちらから。
ARIMATSU PORTAL; PROJECT
https://www.facebook.com/arimatsuportalproject

また詳しく記事を書きますが、とにかく、名古屋の人はチェックして欲しい。