久野染工場×Good Job!プロジェクトの取組みについて話してきました
本日は名古屋市新栄町にあるコミュニティ・カフェ パルルにて、運営者の森田恭平くんにお誘いいただき『久野染工場×Good Job!プロジェクトの取組み』についてお話させてもらいました。伝統工芸×障がい者就労の取り組みはすでに事例があるのですが、このプロジェクトで僕がデザインリサーチャーとして何をしてたのかを発表しています。
当初、Good Job!からプロジェクトへお誘いいただいた時は制作するプロダクトは未定で、伝統工芸と障害者就労支援からなにかできないかというものでした。伝統産業の後継者不足と障害者就労の少ない職場と低賃金という大きな課題があり、大きなテーマは、『愛知県の伝統産業に障がい者が参画できる働く場所をつくろう。』と設定されたのが2014年8月ごろでした。
まずデザインリサーチャーとして、両者の相互理解を促すワークショップの設計と強みを引き出すプロダクトを導き出すということが求められました。デザインワークショップの設計は、何ができるのか、どんな方法でできるのかを利用者+スタッフの関係から探るもので、内容を基本的な手ぬぐいの制作から徐々に負荷を上げ、制作する状況を観察していました。その結果から100を超える有松絞りの技法から利用者+スタッフの特徴に合ったものを選択し、次のワークショップにアレンジをしていきました。
ワークショップの裏では具体的にこのプロジェクtでは何を制作するのかを検討していました。染色とプリント、職人と障がい者、一点ものと大量生産など比較して対象を絞っていった所、アウトドア/ヒッピー/DIY層が発見され、いくつかの布ものから染色で柄が出しやすく縫製の少ないポンチョを選択しました。そこでテキスタイルデザイナーへと発注し、柄とパターンをWSの結果を反映しながら検討していいきました。どのようなプロダクト・ターゲットか方向を定め、テキスタイルデザイナーと染色業者間の調整を図る立場でした。
つまり、[福祉施設⇔染色工場⇔デザイナー]のファシリテーションとプラットホームの構築が求められたのです。ワークショップの結果をデザインに還元し、デザインを次のワークショップに反映する。今プロジェクトにおけるデザインリサーチャーの役割は、こうした業種を超えた対話を促すコミュニケーションの場を設計すること。ポンチョのデザインがコミュニケーションを誘発し、創造性を育む関係と環境が生まれたのではないかと考えています。
【『愛知県で伝統工芸の中に障害のある人が働く場所をつくりたい!』クラウドファンディング締め切り直前説明会】 | Facebook
話し手:浅野 翔
聴き手:森田恭平
日 時:2014年11月22日(土) 13−14時半
会 場:パルル parlwr(名古屋市名古屋市中区新栄2-2-19)
主 催:森田恭平
Good Job!プロジェクト展覧会
展覧会概要 | Good Job! 展 2014-2015
愛知県
2014年12月12日(金)~14日(日) 10:00〜20:00
国際デザインセンター・デザインギャラリー/ナディアパーク2Fアトリウム・イベントスペース
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄三丁目18番1号 ナディアパーク・デザインセンタービル
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