建築的思考

僕は建築を作るということは社会に問うことだと考えています。
住宅を例にとると、この敷地でどう暮らすのか。と言うことを提案する・表現する。
だから建築家や建築士は表現者であれと思うわけです。
機械的に造られる建築や、表象的なデザインにもそういった意味があれば良いと思います。
ところが実際はそうではないケースが多いです。
先日、(僕の日記によく出てくる)藤村龍至さんの日記にこういったことが書かれていました。

コストがないからという理由で形骸化した合理主義に陥ってデコレイテッド・シェッドを量産している立場を批判し、同じ条件でもこれだけのことが出来るじゃないか、なせやらないのだ、建築の可能性を活かそうではないか、という建設的な主張をしているつもりです。


あぁもうなんで僕の思っていたことをこうズバっとかっこいいこと言えちゃうんだと
>デコレイテッド・シェッド
なんでこんな単語使って文章にできるんだよ、o(`ω´*)oプンスカプンスカ!!
なんて未熟で稚拙な僕は思っていたわけです。
同じコストでこれだけのことができるじゃないかという提案、主張がわかります。


僕のほうに話を戻しまして、建築は表現者たれという思想から、今回の課題はとても楽しく取り組めました。

「都市に立ち並ぶ建物並びの中に唐突に空地が現れる場所がある。
不要になった建物が除去された後、新しい建物が立たない状況なのだ。」
「この空間にポジティブな要素を見出すこと、作りだすこと。
それがこの課題の目的である。」(課題文より抜粋)

これを読んで、「あぁ、一時停止都市のことを言ってるのか」と僕は思って参考文献10+1と建築文化をチェックしました。
たまたま過去に買った雑誌がこのことについて触れていたので両方を読み返しました。
この言葉は調べている限り2005年以降不思議と使われていません。
代替する言葉ができたのかと思っても分らないです。
ググってもこれだけしかヒットしません。
"一時停止都市" の検索結果 約 202 件中 1 - 10 件目 (0.26 秒)
"歯ぬけ空間"との一致はありません。
"pause city" の検索結果 約 390 件中 1 - 10 件目 (0.15 秒)
しかし、よく分らないなりに調べた結果、都市の成長段階における一時的に利用を停止された空間、土地利用であることがわかりました。
つまり、将来的にそこが建物が建てられたり、区画整備が行われている可能性を秘めた場所だということです。
その発展の可能性を秘めた健全と呼ぶにためらいが出る土地に、どのような土地利用の提案ができるのか。←ここがポイント
そこで僕は設置・撤収の簡単なコンテナを使い、一時的な土地利用ができないのか、と言った提案をしました。
それをより具体的に考えたのがこれです。(クリックすると大きくなります。)

このより具体的にというところがみそで、提案が現実味のないものであったら絵空事で終わってしまいます。
ここに、いかに現実味を入れるのかということに苦心する(というか、実際には当然現実味が必要なわけですが)ことが大切なんだと思っています。


いかに社会に問うのか、それを建築で表すのか
今回の課題で考えが深まりました。

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課題提出後自分の作品とパワポなどをまとめてアップ予定です。