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アーキフォーラム:ハウス&アトリエ・ワン、ノラ・ハウス/塚本由晴:建築のビヘイビオロロジー

アーキフォーラムに昨日参加してきました。レクチャーの感想の前に、タイトルにある「ビヘイビオロロジー」が一体どういう意味なのかわからなかったのでググってみたところ、以下の文章が見つかりました。

「behavior-ology(ビヘイビオロロジー)」―このあまり聞きなれない単語は、「ふるまいの学問」を言い表そうとする、塚本由晴氏による造語です。個でありながら群・集合体との関係も重視する塚本氏によれば、「ふるまい」には3つの要素―「人のふるまい」、「光や雨風など自然のふるまい」、「建築の(都市の中における)ふるまい」があり、この3つを有機的に関係づけることで、いきいきとした空間実践につながると考えています。(KENCHIKU

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レクチャーの導入部分で「ふるまい」という言葉を繰り返し用いて説明されていました。「ふるまい」はその対象となる時間軸やスケールの違いで定義も変わる。個人のふるまい、世代のふるまい、住宅のふるまい、都市のふるまい…。ふるまいは何度も繰り返されることで形成されていく。そのふるまい一つを抜き出す建築でなく、メタレベルでふるまいを形成する要素として建築を設計されているように感じました。

このふるまいを住宅に落とし込んだ第四世代の住宅の提案をされているようです。

住宅の世代
第一世代 広い敷地で庭を持ち緑に覆われた住宅。
第二世代、やや広い敷地で敷地内に駐車場を持つ住宅。
第三世代、第一、第二世代の敷地を細分化して建てられた窮屈な住宅。
第四世代、第三世代の問題点である閉鎖的な住宅への改善。共有スペースの復活。

ハウス&アトリエワン(自宅と事務所の共有室)、ノラ・ハウス(縁側と畑)、生島文庫(本棚と部屋)、ポニー・ガーデン(自宅とポニーの庭)を例として共有空間を持つことで閉鎖的な住宅との決別の意思ははっきりと感じました。
一方で、内と外で何を共有するのか、どのようなコミュニティを創造するのかといった目的がない場所で、この第四世代の住宅は成立するのか疑問に思いました。いわゆるベッドタウンのような都心へ出向き日中人がいないような住宅でどのようなふるまいを生むことができるのでしょうか。何を共有するのか、という点で一部納得はできませんでしたが、住宅のあり方として大方賛成できました。

質疑において、アトリエ・ワン的設計の方法論から、ふるまいなどメタレベルの論にシフトされているという指摘がされていました。それに対して、「芸術家との触れ合いの中で方法ではなくそこで何を伝えるのかという目的があればどのような方法でもよいと感じた。だから建築をどう設計するかという方法論ではなく、建築という方法でどう伝えることができるかを考えるようになった」ということを仰っていました。僕はこれに対して、芸術家と違って建築家や設計者は建築という方法を与えられているのであるから、その方法論に対して語ることのほうが大切ではないかと思いました。抽象的な話を咀嚼して一般レベルまで下げることが現代の建築家に求められる説明責任だと僕は思っているからです。

刺激的な話を聞き、もっと勉強しなくてはと感じました。