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浅田彰×杉本博司 「アートの起源」を拝聴してきました。

大学の友人らと三人で京都造形大公開レクチャーへ
静止画のスライドや動画で近年の様々な活動を紹介しつつテーマとあげられていた「アートの起源」へと話を膨らましていく。有名な海景、劇場、放電場などは知っていたが直島でのアプロプリエイト・プロポーションやU2とのコラボなど全く知らない話もあり、杉本さんの活動の広さを感じた。また、趣味である古美術品の収集から日本的なものの話へと展開し、自己のアートの起源を語っていた。
この杉本さんの芸術を浅田さんは「巧みな芸術」と評していた。何度か繰り返されていたので耳に残っているが考えると確かにそうだ。写真のようにネガとポジを反転させることで虚構と現実を往来し、その消失を図る杉本さんの手法は「もっともらしい嘘」を作ったり、「嘘のような本当」を作っている。蝋人形/恐怖の館なんてのはまさにそうだ。
ただ、その手法から今日のレクチャー上での発言や態度には少し懐疑的にならなければいけないかもしれない。富の再分配のくだりや海景は「海の写真を撮りたかったから撮り、説明を求められたからあのような話をした。」なんてのはまったくもって"もっともらしい嘘"か"嘘のような本当"な話だと思う。ある種のキャラ作りとも言えるくらいに。ただし、そのキャラ作りには決して嫌みみたいなものがなかったから僕や友人はその話を楽しめた。
また、僕個人的には先週の岡崎さんのレクチャーに続き、今日の杉本さんも建築に関する話が出てきたことに着目したいと思う。杉本さんは「建築」の作品を出しているが、「建築は制度との闘いがほとんど」とおっしゃられていた。岡崎さんの建築的思考を作品のメタレベルに生かすという話とは違えど両者ともに建築を何かしら意識している様子。建築が他の領域に影響を受けることもよくあることなのでお互い刺激し合える環境であることは素晴らしいことだ。僕も今日のレクチャーで刺激を受けた。自分の活動にも生かしたいところだ。