デジファブ習作してみたので過程解説

 123D Makeという画期的なソフトウェアを教えてもらい、SketchUp*1で*.STLファイルの書きだす方法がわかったので実験してみました。実際に作ったのが下の写真。

 123D Makeは*.stlファイルデータを読み込ませると、積層やらワッフルで3Dモデルを再現し、さらに各パーツを生成しPDFで書き出しすることができるのです。便利!さらに組み立てをアニメーションで見せてくれるし、パーツも明示してくれるのでカットした後に『あれー、これどう組み立てるのヽ(;´Д`)ノ』なんて事にもなりません。そんな面白いソフトをとりあえず使ってみることにしましたので、御覧ください。
【先にインストールしておきましょう】
・Autodesk 123D - Personal Fabrication, 3D Printing, and Making Products and Services
http://www.123dapp.com/make
・Trimble SketchUp
http://sketchup.google.com/intl/ja/
上記ソフトウェアのインストールが終わったら、SketchUpのプラグインをいれます。
・su2stl (SU Plugin) - Ruby Library Depot
http://rhin.crai.archi.fr/rld/plugin_details.php?id=429
上記サイト右側にあるDownloadをクリックし、ダウンロードand解凍。フォルダにあるsu2stl.rbsを以下のフォルダへ入れる。もしPluginsフォルダがなければ右クリック>フォルダの作成から作りましょう。なお、OSによって指定が違うので注意。
OSX
Users/ユーザー名/Library/Application Support/Google SketchUp 8/SketchUp/Plugins
WIN
C:\program files\google\google sketchup 8\plugins
※2012.06現在のバージョンは8です、もしかしたらフォルダ名がGoogle~からTrimble~に将来的に変わるかもしれないので注意!
【モデリングしよう】
 では、スケッチアップでモデリングしましょう。初めての人はテンプレートからArchitecture-millimetersを選ぶといいです。あとで小さくもできるけど、1/1のスケールで作りましょう。今回は、歯医者さんにあるような"歯"のカタチをしたスツールを作ってみました。(近々、歯医者に行かなきゃいけないので…)完成したらメニューバーのPlugin>Export STL fileをクリックして保存です。
【カットの準備】
 作成したモデルをインポートしましょう。123D Makeを立ち上げて左にあるImport...をクリックし、さきほどエクスポートした*.stlファイルを読み込みます。そうするとこんな感じにモデリングデータが出てきます。
 そう、奥歯のようですね、うん、奥歯のようです。※大事なことなので二回言いました。今回は通常のワッフルで組み上げる予定だったので、Select...をクリックしてInterlocked Sliceを選択。


 今回はパラメーターは上図のようにやってましたが、レーザーカッターないし、カッティングプリンターの寸法に合わせて選択してください。また、素材厚をきちんと設定しないと組み立てするときにスカスカだったり、もしくは入らなかったりするので注意が必要です。各数字をいじったり、ワッフルの組み方を変えると楽しいです。同じカタチでも見え方が変わってきます。これがフルスケールだと感触も変わってきたり、構造的意味も変わってくるのでつくりながら考えてフィードバック得ながら最終的なところまで考えることができるはずです。
 カタチが決まればGet Plansをクリックし、PDFデータを吐き出してください。それをillustratorもしくはGIMPで開いてラインの細さを変更、レイヤー分けをします。さらに、今回はここが重要だったのですが、問題なく線が描かれているのかを確認しましょう。僕は切れていけないところで切れていたのでラインを修正しました。問題ないことを確認してレーザーカッターへ。

 グイングインとカットカットカット。では、出来上がったパーツを組み立てていきましょう。123D Makeにもどり、左カラムにあるAssembly Stepをクリックし、Min↔Maxとあるスライドバーを動かしながら順序を確認し、組み立てましょう。素晴らしいです、間違えて組み立てることがきっとないです。パーツ番号もわかるし、組み合わせ方も出てきます。不器用な人も問題なし!
 さて、ついに出来上がったのがこれです。古い段ボールシートを使ったせいか、隙間が空きすぎてグラグラです。ブックスタンドの支えがないと倒れてしまいます。

 また、組み立てている最中に、組み立て不可能な形状をしたパーツが出てきたので手でカットしました。まだおちゃめなソフトウェアのようですね。しかし、特殊なソフトを使わなくてもこうしたワッフル形状の3D模型が簡単に作れるようになったのは素晴らしいと思います。技術の伝播と何を作るのかを考えたワークショップを研究室内で検討中です。
 先のfablifeでも、作るという技術的な面と同時に"何を作るのか"を考える必要があるとありました。もう"作ってみた"から"批評的に作ってみた"というフェーズへ移りましょう。そこにデザインの楽しさと難しさが詰まっているように感じます。

*1:いつのまにかGoogle SketchUPからTrimble ~に名称が変わっていた。