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アールト大学のイントロダクションからデザイン思考の徹底ぶりを感じる。

留学

20,8のオリエンテーションを皮切りに怒涛の二週間が始まっておりました。20-22はオリエンテーションでSchool of DesignとArtの終始、交換留学生とともに参加。(工学や経済はオリエンテーションはないみたい。)学生の登録や書類関係をもらい、先生のありがたいお話を聞くことに。アールト大学の生い立ちと今置かれている現状を英語で紹介してもらい、どこの国も同じように頭打ちの現状を乗り越えていかなければいけないんだということを再認識しました。さらに、デザイン史を研究する教授がデザイン思考が今求められていると声高に宣言をされていました。アートの学生が交じるオリエンテーションでそうした宣言がされるのは申請で記憶に残っています。
その後、専攻ごとに分かれての自己紹介タイム。僕の所属するIDBM(International Design Business Management)は院生と交換留学生を合わせて10人程度。半分がアジア人でほかが欧州の学生でした。みんな英語がペラペラで(当たり前なんだけど。)負けじとおかしな文法で自己紹介をすることに。話には聞いていたけれども、学生からストレートに上がってきている子たちは僕をふくむ東アジア圏に多く、一旦何らかの職業経験を持った人たちが多かったのが印象的でした。ファッション、パッケージデザイン、インダストリアルデザインを経験した上でサービスデザインやソーシャルデザイン、さらにマーケティングの知識を実践ベースで学べるこの専攻に来た人が多いようでした。

三日間のオリエンテーションを終えると、休むまもなくイントロダクションの講義が始まります。最初の三日間は知識の共有について、グループワークベースで進行されます。初日の課題は『あなたが考えるデザイン組織とは?』『デザイン組織のコンセプトを明確にし、ロゴをデザインしなさい。』『ロゴとコンセプトを元に他のグループの人達に説明をしさらにフィードバックを得てより強固なストーリーを作りなさい。』といったものでした。その時に、どうやったら情報を共有できるのかその方法やストーリーを建てることの大切さを教授から講義を受けます。英語ができなさ過ぎてROM専のようにテーブルについていた私でした。

後にグループに分かれて、『あなたが持っているスクールフェスティバルで知識共有しましょう。』という課題が出ました。オープンソース教育とでもいいましょうか、これは誰かが持っている技能や知識を、お互いに教えあいましょうというものです。参加者はアールト大学の学生だけでなく、一般市民も参加で行きます。学ぶとはどういう事かのレクチャーを受けて始まりました。自律的な教育には五つのトピックが必要だと講師から説明がありました。それは1. Activation(起動) 2. Content(内容) 3. Motivation(動機) 4. Interaction(相互性) 5. Keep it real(自分らしく)です。どうやって始まるのか、内容は、なぜやるのか、どうやってコミュニケーションをするのか、あなたらしいやりかたとはを10分で考えて、5分でディスカッションし、1分で発表し合いましょうという怒涛のスケジュールでしたが、そもそも英語の意味がよくわからず、特にKeep it realが『自分らしく』とか知らねーし!、6分位は隣の人にもう一度説明してもらわないと進まないものでした。僕は実際には、折り鶴を選択し、『何かを願う、祝うときに作る折り鶴を今日はみんなのアールト大学での勉強を祝うために作りましょう。』と説明して参加者に手取り足取り教えてました。一番苦戦したのが、織り方を英語で説明するところで、当たり前のようにやっていたことすら説明しないといけない。「ページを捲るように開いてください。」という説明をするんだーと、前日に調べながら驚いていました。15分という短い時間の中で10人ちょっときて一人を覗いて無事に全員できたので次第点でしょうか。

さて、その教えあいっこの講義が終わると今度はデザイン思考の講義と毎日変わる3,4人で1チームのグループワークが待っていました。(全体で28チームくらいでした。)『消費者の高度を変えるためにデザイナーが出来ることを提案する。』、『街へ出てインタビューを行い、グループの行動を変えるためにデザイナーが出来ることを提案する。』、『社会を変えるために核となるターゲットを決めてデザイナーが出来ることを提案する。』と対象のスケールが大きくなり、そのテーマに合わせて講師も変わるという有意義なものでした。(もっと英語がわかれば。)また、テーマ発表から三時間後に毎日1分間のビデオプレゼンが課せられており、紙芝居、ダンス、演技などそれぞれに合わせて発表をしていました。さらにその日の夜に別の宿題(翌日のテーマに即した物。)が課せられて翌朝、グループディスカッション。その発表を全員で干渉し、講師からのコメントが出て、次のテーマに移っていくというものです。ほんとうに毎日英語を聞いて話してという日々だったのですが、思ったように話せず、なにを行っているか分からず頭がおかしくなりそうでした。
そして最終日はこのイントロダクションを通して、なにを学んできたのか。デザイン組織とは、デザイナーとは一体どういう職能のことを言うのかというディスカッションがありました。どういうデザイナーになりたいのかという質問の中には、『ファシリテーター』、『プロデューサー』、『コネクター』というような何かと何かを接続する立場として活動するデザイナー像という答えが目立ちました。特にフィンランドでは資源の少ない国なので、より手をとりながらイノベーションをしていく必要があるからなのかもしれません。停滞しているように感じる経済状況下でデザイナーが変える小さなことの積み重ねが大きく社会を変えうる動力につながるのかもしれません。状況の整理や何かを接続するだけに留まらず、モノづくりを作っていくことにますます興味が湧いた10日間でした。