展覧会レビュー|Japan meets Finland at CAISA

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2012年10月19日から12月20日までの二ヶ月間、9名の日本人作家が参加する『Japan meets Finland -design and diversity-』がヘルシンキ中央駅そばにある国際文化センターCAISA Garallyにて開催されています。フィンランドの芸術大学、デザイン大学を卒業した後にフィンランドへ残る決意をした彼ら。文化的背景、生活環境の違い、教育の差をどう内在化して行ったのでしょうか。

会場へ入ると、テキスタイルデザイナーShimatuka Eriさんの沖縄とフィンランドそれぞれの素材を使った草木染めの作品二点が目に付きます。濃淡の違う黄色二色を使った市松模様、紺色が徐々に深みを増す作品です。制作過程を説明する冊子には冬に集まってパッチワークをする作家と友人の写真がありました。気候条件から自然と選択されたことが伺えます。

木工家具では、やわらかい曲線を用いたIshizuka miwaさんと直線的なYoshida Satoshiさんの作品が対照的です。機能的な部分の説明をするIshizukaさんの作品からは北欧機能主義的な機能と形態(曲線)の伝統が見られ、一般的なベンチの構造から着想を得るところから始まったYoshidaさんの作品では日本的なアノニマスデザインの系譜が感じられます。

会場には他にも日本人がヘルシンキで経営するセレクトショップから深澤直人氏がプロデュースする作品、木工プロダクト、グラスや陶器の作品、絵画も同時に展示されています。ミニマルな形態、オーガニックなパターンなど一見すると『日本的な』『フィンランド的な』表層の部分に目がいってしまいますが、素材や過程、形態などに対するデザイナーの選択に両文化の融解点が見えるように感じます。

イベント情報
Caisa - http://www.caisa.fi/

住んでみてわかった 本当のフィンランド

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Made in Japan: 100 New Products

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