ストックホルムファニチャーフェア 2013 へ行ってきた。

f:id:pnch:20130206190824j:plain[地下鉄構内の装飾が独特なストックホルム]

大学の学生連合企画でストックホルムへ行ってきた。往復のフェリーで二泊、ストックホルムで一泊の三泊四日で50€と安い。フェリーは非課税のものがたくさん売っていて物欲爆発しそうになるのを我慢(フィンランドは特にアルコールの税金が高いのでケース買いしてる人が多数)。学部生が多いが、CS(Creative sustainability)マスターの子たちやアジア人留学生らとワイワイしながら過ごす時間は楽しい。アジア人の女子達がパワフルで、欧州人の女子達もつられて元気なグループだった。

市内のホステルCity Hostelにチェックインし、荷物を置いてから近くのフードコートで昼食を取り会場へ向かった。中央駅からローカル線へ乗り、15分程度で到着した。入り口を抜けるとNendoのインスタレーション。スチレンボードを素材に、細い部材を山なりに切り、バネのように伸ばしたパーテーションで構成されている。グラデーションが掛かった空気感が彼らがデザインしたイス、ベンチの形態と重なる。スリットの入ったパーテーションとイスで人が細かく刻まれているように見える。しろくて透明な空間がここスウェーデンでも評価されているようだ。

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f:id:pnch:20130206215334j:plain[インスタレーション会場風景]

会場は大きく三つに分けられ、企業ブース、フリーデザイナー・学生ブース、レクチャールームからなる。企業ブースが最大で、コマーシャルな匂いがプンプンする。会場をうろついていて何か匂うなと思ったら大半のブースで食事を配っていたり、お酒を振舞っていた。中にはアコースティックギターを演奏しているところも。これは日本では見られないんだろうと、会場でお会いした日本人出展者にお話を伺ってみると、日本は人の量が多く、流速も早いためこうしたゆったりとした雰囲気ではない。また、見た作品に対してコメントがほぼもらえることが日本との大きな違いではないかと仰られていました。コマーシャリズムの良し悪しとは別に、会場で作り上げられている雰囲気は好ましいものであった。

もっとも会場の雰囲気が良く内容も面白かったのが、フリーデザイナー・学生ブース、Green house Areaだ。北欧のデザインを学ぶ大学が多く出展しているので、話を聞くのが面白い。アールト大学からはファニチャーデザインを学ぶのマスター一年生の子らの作品が展示されていた。他大学の作品は家具に留まらず、インタラクションデザインや子どもを対象としたデザインを展示しているところもあった。また、フリーデザイナーたちの実験的なプロジェクトはクオリティも高く、制作プロセスに特徴があるものは学ぶところがあった。中でもoyyoというスウェーデン人男女ユニットがインドのクラフトマンと協力して作り出したカーペットは美しく、現地の人らに還元できる仕組みは意義が高い。こういう活動を行うフィンランドのブランドであるTIKAUを昨年のWDCで話を伺うことができたが、ものづくりを通したデザイナーの果たす役割の広がりを感じる。oyyoの二人はインド旅行中に見かけたクラフトに惚れてこの話を持ちかけ、実践までこぎつけたそうだ。

[写真はoyyo PRESSより]

五時ごろに会場を離れ軽く食事を取り、11時すぎに中央駅付近のクラブバーへ出かけて深夜まで楽しんだ。翌日は展望タワー近くの文化人類博物館を見て、ウィンドウショッピングをして帰りのフェリーへ。体調を崩し風邪気味になってしまったので、帰りのフェリーは静かに過ごす。彼らはまだ何処かで飲んでいるようだが一足先にお休みなさい。

 

Nordic Designers

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