デザインマネジメント、ビジネスマネジメントのためだけにアールト大学へ留学するのは無意味ですという話。


留学の話を書き始めてからアールト大学へ(交換)留学希望する人らが記事を読んでくれてるなーとGoogle analysis見て思います。検索ワードでは、イノベーション教育よりもビジネスよりのワード検索でヒットしてる人が多いみたいですね。建築もごく稀にいるけれど、僕はそっちに行っていないので良くわかりません。曖昧な情報を記述して悩ませるのは悪いので、直接大学に問い合わせた方がいいと思います。日本の大学よりも担当者がはっきりしているので連絡しやすいですよ。僕は連絡が遅く、3月頃に連絡した記憶があります。その時に、デザイン専攻の担当者に『サービスデザイン』を学びたいと伝えたらIDBM(International Design Business Management)とインダストリアルデザインのコースどちらかじゃないと教えてもらえました。(インダストリアルコースに申し込んだけど、受け入れられたのはなぜかIDBMでした。)
留学前に『This is service design thinking.』を読んでサービスデザインをより実践的に学べるところを探していて、この頃は働いてから留学でもいいかなとか考えてたっけ。そのすぐ後にService Design Networkを見てフィンランドがサービスデザインに注力してるのを知り、アールト大学と交換留学の関係を持ってることを思い出し、すぐに申し込みました。僕は建築という背景があるので、エコノミクス分野ではなく建築・デザイン分野で実践できるところを探していてここを見つけることができて良かったです。もちろんサービスデザインは、デザインマネジメント、ひいてはビジネスマネジメントの系譜を引き継いでいると思うけど、デザインというステップがあるので飛躍する部分があって面白い。これは座学だけでなく体験しないとわからないことですね。また体験して面白かったことといえば、授業でフィンランド発のベンチャーのケーススタディをしたときに、ビジネスモデルの構築の裏にあるフィンランド的なコンテクストが見えたところです。最初のレクチャーではビジネスモデルのストラクチャーの話が多くて、ストラクチャーに隠れた血と汗と涙が見えなかったから正直退屈でした。グローバリゼーションの中で、標準化されたビジネスの話を聞いても分からないことがとても多い。その土地ならではのコンテクストを読み解いて実践しているところに実践の妙があるはずなのになーと思いながらスライド眺めてました。僕は文系的なビジネスコンサルとして働きたいわけではないので数字だけの話やストラクチャーだけの話にはリアリティを感じられません。
IDBMでもこのイノベーション教育のストラクチャーだけ学ぼうと思うと、あまり意味がないと思います。プロジェクトベースドラーニングは、コンテクストという定性的な部分を学ぶのに優れた機会です。これは標準化されたマネジメント理論と大きくことなります。調査の方法を状況において選択し、適切なカタチでまとめることが求められます。そこが難しくも面白いところで、欧州の背景を読み解きながらプロジェクトを進行して行く今は非常に刺激的です。書ではわかり得なかったことを学べているなと劇的に進行していくプロジェクトを通して強く思います。エコノミクスの人たちももし海外の大学でビジネスマネジメント、デザインマネジメントを学ぶならそうしたところを選択してみてはいかがでしょうか。イノベーション教育は、血と汗と涙の部分を体験することができますよ。