農業×建築 M式水耕栽培研究所探訪

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愛知県で農業×建築を自主的に研究されていた研究会メンバーの一人である栗本真壱さんにご紹介いただき、建築家・村田豊氏が設計に協力されたM式水耕栽培研究所を見学してきました。

名古屋駅から20分ほどにある愛知県弥富市にあり、社長はオランダから水耕栽培を日本へ輸入し、環境に合わせて発展させた日本の水耕栽培のパイオニアだそうです。セルフビルドで立ち上げられたフラードームのようなハウス施設に、水耕栽培の基本となっている穴の空いた発泡スチロールのパネルが桶の水面に並べられている。研究所の周囲には、前代表の村井邦彦さんが生前中にぎりぎりまで制作されていたという建設途中のフレームが建てられている。かつては国内外のパビリオンにも出展し、村田氏と水耕栽培に普及されてきたという。一つ一つてで接続していったフレームはどこか不揃いな不気味さと生々しい緊張感を持ちあわせており、廃墟となったユートピアのような施設でした。

現社長のお話では、農業と建築は建築としての正解がない世界で手探りでやっているため、工務店やゼネコンも蓄積された経験がまだ浅い世界だそうです。水耕栽培一本で来られたM式水耕栽培研究所には、毎年、多くの方が見学に来られるのだとか。

愛知県にはまだまだこうした生活と密接に結びついた産業から生まれた見落とされがちな建築、そして価値観が多数眠っているんだろうと思います。ただ保存せよとするのではなく、現代の生活に寄り添うように活用や展開を考えていくことが求められているように思います。新たな課題を持ち帰ることができた非常にワクワクする時間でした。栗本さん、村井社長ありがとうございました。

「 農業 * 建築 = AGRITECTURE 」
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株式会社M式水耕研究所 | トップページ
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