街へのまなざし

先日、ARIMATSU PORTAL; PROJECTの活動について、ようやく有松でお話しすることができました。名城大学の柳沢先生よりお声がけいただき、「なぜ有松なのか、街へのまなざし」というテーマです。
プレゼンの中で私たちの活動は、有松に根付く「ものづくりの文化」に共感し、停滞している交流のための「入口・出口を築くこと」を理念としていることをお話ししました。伝統工芸や古い町並みに惹かれているのではなく、リチャード・フロリダのクリエイティブ資本論を引用しながら、400年続く町の才能・技術・寛容性をどうしたら再び手に入れるのかを考えています。
2016年2月29日に伝建地区指定がなされた有松のエリアは、風致計画が見直され、かつての有松を保存する方向に力が働くのだと思います。歴史や伝統を傘にハード整備が先行し、活用計画や利用者といったソフト運営が後手に回されてしまうかもしれないという危惧があります。400年の歴史は建築物といった人工物に宿るのではなく、そこを利用する人間やその人間を通して生まれた創意工夫にも宿るはずです。
そのためにも、ARIMATSU PORTAL; PROJECTでは、主体的であること、多様性を確保すること、持続可能な計画を立てることに「入口と出口」を見出し、活動を続けていこうと思います。2016年は拠点を再活用して、新たな展開を目指していきたいと思います。