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デザインの1, 3, 5, 10年後

年度末は行政関係の仕事が続くため、どうしても毎日があっという間に終わってしまう。日々、仕事をこなしながらこうした日々がいつまで続くのだろうかと考えるときもある。あこがれの建築家やデザイナーと衝撃の出会いをした8年ほど前、彼らは30-35歳でリーマンショック以後のクリエイティブ業界に身を置きながら、なんとか新しいデザインの言語や態度を模索としていた。デザインする状況をデザインすると始めたDESIGNEAST (大阪)、議論の場を設計するLIVE ROUND ABOUT JOUNAL (東京)、今何をデザインしているのか伝えるDESIGNING? (福岡)など、自主プロジェクトを立ち上げて態度を表明し、わからないことに立ち向かいながら議論を巻き起こしていく。SNSの隆盛期とも合わさり、twitter実況やその場で発行などリアルタイム性の高い情報環境が設計され、僕自身も議論の輪が広がっていくのを肌で感じていた。
そして、その時に感化された学生たちも30代を迎える。私も今年30歳になる。置かれた状況はかなり変わっている。私たちの世代は氷河期の再来、大学院へ進学しても就職率は低く、特にスーゼネや大手広告代理店へ行く同級生は数えられる程度だった。今ではオリンピックや地方創生によってばらまかれた文化予算が潤沢となり、クリエイティブ業界は今では新卒採用に躍起になっている。そんな未来はいつまで続くのだろうか。

1年後、2018年。東京オリンピックまであと2年、主要都市の建設ラッシュはまだ続く。インバウンドによって宿泊施設は増え、民泊の法整備が進む中、リノベーションなど投資物件も増加が予想される*1。地方の情報を第三者が"良い感じ"に伝えるローカルメディアが更に増え、ローカリティが抽出されたクオリティの高いお土産が増えつつある。

3年後、2020年。東京オリンピックが開催され、国内は特需。前後3ヶ月はオリンピックついでに日本を訪れた観光客がいろいろなところを訪れ、国民の宿泊や移動に影響が表れる。旅行・文化・歴史フリークスによって、日本人が忘れてしまっていたようなエリア、モノ、人柄などが再び脚光を浴びる*2。自分で作って自分で売るといった小商いを試みをする兼業デザインナーが少しずつ増え、議論の場はさらに縮小する。

5年後、2022年。地方創生・文化予算が縮小され、元気だったNPOや広報は市場を刺激しようと試みるも財布の紐が固くなっている。ゼネコンは海外へ仕事を求め、英語を使えるデザイナーもソーシャルデザインやマーケットを求めて途上国に。国内で不満と焦燥に駆られた若手デザイナーらが自主的な企画を立ち始める。国内か国外か、行政か企業か。小商い系など第3の道について。

10年後、2027年。シンギュラリティを経て、AIがクリエイティブ業界に本格参入。○○なデザインはプログラムで起こされ、文字詰めや微妙なズレを直すオペレーターとしてのデザイナーと独創的なスターデザイナー。スターとオペレーターの間にいたローカルデザイナーがどんどんプログラムに置き換わっていく。Adobeがデザインのソフトウェア会社からAIを用いたデザインのサービス会社へ。プログラムのオンとオフをするだけの自称デザイナーがボタンプッシャーと呼ばれる。人間が人間のためにデザインする道理を探求するデザイナーが表れる。


このストーリーはあまり嬉しくない未来だが、完全に無いと言い切れないのが怖い。こうなるかもしれない(最悪な)未来の中で、デザインリサーチャーとして僕は何ができるのか。これまでにカバーする領域とみなされていなかった領域に目を向けること、これに尽きる。これはデザインリサーチャー自らがグラフィックやウェブをデザインしようということではない。紙とかウェブと行ったオブジェクトでない、福祉や金融などのサブジェクトに目を向けるということ。拡張される体験のデザインを更に広げ、具体化させること。そのために知らなかればわからないことに目を向ける。

身の回りのことを知っているつもりで仕事をしているとあっという間に活躍の場はなくなる不安と向き合いながら。

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*2:e.g.) 海外反応! I LOVE JAPAN  : 外国人女性「日本のカプセルホテルに泊まってみたよ!」 海外の反応。 http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51929418.html