DESIGNEAST01 の初日雑感。

10/1-3開催されるDESIGNEAST01@名村造船場跡地 にお昼過ぎより参加してきました。
メインコンテンツは登壇者のトークです。デザインイベントでありながら、デザインの展示はほとんどありません。代わりに広く取られているスペースはワークショップとトーク会場です。
 それは、このDESIGNEASTというイベントがデザインの場をデザインするイベント*1だからです。昨年度のDESIGNEAST00に参加し、そしてMaking of DESIGNEAST00(リンクはtogetterのtsudaりまとめ)というトークイベントでも繰り返し話されており、そのスタンスは揺るぎないのだと改めて感じました。そして、このスタンスは今年のwebサイトにて「この街を"国際水準のデザイン/思考の発信場"とすることで、「大阪」という都市の新たな可能性を見いだす試みをスタートします。」とより明確になっています。そして、その議論のテーマに今回は"ソーシャル・サスティナビリティ"をメインに据え、「世界で活躍するデザイナー、思想家らを招聘し、作品紹介や対談を通して、維持可能な社会をつくるデザインのあり方を探ります。」*2
 本題の昨日のトークに関してですが、twitterによる実況とそのまとめがすでに作成されておりますのでご紹介します。(掲載されていないのは実況者が休憩しているためです。)
DESIGNEAST OSAKA DESIGN MEETING 三木健×服部滋樹 [MEETING]
DESIGNEAST DESIGN LOUNGE ピーター・マリゴールド [DESIGN LOUNGE]
DESIGNEAST DESIGN LOUNGE 山崎さん [DESIGN LOUNGE]
DESIGNEAST DESIGN MEDIA MEETING [MEETING]

僕は一つ目のMEETINGを除いて、他は拝聴していました。
 ピーターの話では最も興味を引いたのは、デザインではなく、活動環境でした。彼のスタイルはスタディとその考察からデザインのアップグレードを繰り返していく手法のように感じたのですが、それを可能とする環境をどうして彼は手にしているのか。ヴォリューム、デティール、材料とそれぞれのステップでスタディを繰り返し、特に1/1レベルでそれだけの物を制作できる環境、資金を含めて、をどうして彼が手に入れているのか。日本において、それが可能なのか。可能にするためにはどうしたらいいのかを考えるきっかけになったように思います。
 山崎泰寛さんは発注者目線、「頼み方のデザイン」について。こういった視点があったのかと、はっとさせられるような内容でした。また、TeamRoundAboutの活動紹介でテーマの推移が世代論→建築家論→都市論と移り変わりを意識していたという話はとても印象的でした。実際に2年前から活動を知り、追っている身として確かにそれは実感できるなと思います。その背景に「社会に訴えかける」ことをしっかり意識されているから建築業界に留まらず、その周辺の思想界隈などにも影響力を増しているのだと。カオスラウンジを取り込んだ時は少し疑問だったのですが、AARの対談やこの山崎さんの話を聞いて納得がいきました。
 MEDIA MEETINGでは2010年以後のメディアの在り方を問うものでしたが、「電子書籍時代における編集の在り方」から始まり、「紙媒体の優位性」そして「メディアとデザイナーの関係」という話になり、僕としてはそれってテン年代の話なのかな、と疑問に思ってしまいました。デザイナーが発信する意味については納得がいきましたが、それは建築に関して言うとすでにコルビジュエが行っていますし、昨今では藤村龍至さんや松田達さんなど、独自のメディアで発信している方はいらっしゃいます。インハウスデザインに関しては把握しておりませんが、そういった方々の話を聞いている中ではこの話は物足りなかったです。それよりも、より多くのデザイナーがメディア化していった時のマスメディアの在り方が聞きたかったです。

というわけで、ざっと駆け足で雑感をまとめました。これから二日目に参加してこようと思います。

*1:[http://togetter.com/li/1695:title=Making of DESIGN EAST 00]における柳原さんの言葉より。

*2:[http://www.designeast.jp/about/:title=DE01サイトAbout]より抜粋