2012年に読んだ本まとめ

ベスト3を選べと言われたら、

  1. 暇と退屈の倫理学 - 國分功一郎
  2. Fablife - 田中浩也
  3. ニートの歩き方 - pha

ですね。
2012年の読書メーター
読んだ本の数:27冊
読んだページ数:7299ページ
ナイス:22ナイス
感想・レビュー:19件
月間平均冊数:2.3冊
月間平均ページ:608ページ

路上のエスノグラフィ―ちんどん屋からグラフィティまで路上のエスノグラフィ―ちんどん屋からグラフィティまで感想
南後さんのグラフィティリサーチに惹かれて購入したが、ストリートパフォマーに対するエスノグラフィカルなリサーチを通じて描かれる"都市性"も興味深い。修士課程学生のリサーチが本文のほとんどを成していることにも驚いた。
読了日:12月26日 著者:
仕事の社会学 改訂版 --変貌する働き方 (有斐閣ブックス)仕事の社会学 改訂版 --変貌する働き方 (有斐閣ブックス)感想
労働意欲が企業コミュニティへ依存していた高度経済成長期から趣味や家族などのコミュニティへシフトしてきている今、ワークプレイスそのものの環境を整備することがどれだけ有効なのかは疑問だな。就業時間やオルタナワークプレイスなどの制度見直し、コミュニティシフトを促して労働環境を高めることができるんじゃないか。にしてもやはり、様々な機会の創出としての起業は有効なんだろうなと思える。
読了日:12月25日 著者:中村 慶岳,中村 文
ジェイコブズ対モーゼス: ニューヨーク都市計画をめぐる闘いジェイコブズ対モーゼス: ニューヨーク都市計画をめぐる闘い感想
今なお参照されるジェイコブスがどのような背景でアメリカ大都市の死と生が執筆されたのかがよくわかる。前半はモータリゼーションを受けモーゼスがいかにアーバンデザイン行ったのか、後半ではそこで生まれた都市の歪に対してジェイコブスがいかに活動されたのかが描かれている。ビルディングとマネジメントのどちらかを選択するということでなく、マネジメントからビルディングを実行することが大切なのだと最後に触れられている。そこをつなげて行く人がこれからのビルダーアーキテクトなのではないだろうか。
読了日:11月11日 著者:アンソニー フリント
まちへのラブレター: 参加のデザインをめぐる往復書簡まちへのラブレター: 参加のデザインをめぐる往復書簡感想
易しい本じゃなく優しい本。内容は時に高度な知識を要求される時もあるけれど、質疑応答が的確で柔らかい語り口に反して学ぶことが多い。
読了日:10月3日 著者:山崎 亮,乾 久美子
都市と消費とディズニーの夢  ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)感想
国内外のショッピングモールの生い立ち、都市形態の変遷や流通とモビリティの流動量変化から都市の様相が変化していることを説く。建築や都市工学に批判されがちな消費のためのビルディングタイプ、ショッピングモールを客観的な視点で考察することで新しい公共のあり方を考えることができるかもしれない。
読了日:9月29日 著者:速水 健朗
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法感想
彼の口癖『だるい。』のように、ニートを推奨するわけでもなく、かといって社畜化することを推奨するわけでもないゆるい本書。こうした暮らし方や働き方の幅が出ていることを受け止め、新しい公共を考えるきっかけにしたい。
読了日:9月20日 著者:pha
暇と退屈の倫理学暇と退屈の倫理学感想
良書。ネオニートやノマドを考える上で必読と感じる。暇と退屈の違いから始まり、どう退屈を超えて行こうとしたのか、なぜそれでも現代で退屈な日々を過ごすものが多いのかを考える書物。
読了日:9月14日 著者:國分 功一郎
ソーシャルファイナンス革命 ~世界を変えるお金の集め方 (生きる技術! 叢書)ソーシャルファイナンス革命 ~世界を変えるお金の集め方 (生きる技術! 叢書)感想
マイクロファイナンスからクラウドファンディングまで。現在進行形で変化を遂げる金融がITの発達で改めて愛着と融合している。数字だけで表すことのできない部分がこの状態を促す合理性を生んでるにちがいない。
読了日:7月19日 著者:慎 泰俊
辺境から世界を変える ――ソーシャルビジネスが生み出す「村の起業家」辺境から世界を変える ――ソーシャルビジネスが生み出す「村の起業家」
読了日:7月8日 著者:加藤徹生
クリエイティブ・フィンランド―建築・都市・プロダクトのデザインクリエイティブ・フィンランド―建築・都市・プロダクトのデザイン感想
戦後フィンランドの歴史が以如に建築とつながっているのかが良くわかる。アアルトを始まりに、シビックプライドの醸成から建築家の働きや都市計画に市民が参加している様子が見て取れる。
読了日:7月5日 著者:大久保 慈
ニコニコ学会βを研究してみた (#NNG)ニコニコ学会βを研究してみた (#NNG)感想
アカデミアンがアカデミズム以外で評価される場として、野生の研究者発掘の場として、ギークがモテる場としてニコニコ学会βは機能して行くんだと思いたい。
読了日:7月5日 著者:
FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)
読了日:6月11日 著者:田中 浩也
希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)
読了日:6月11日 著者:宇野 常寛,濱野 智史
フィンランドで見つけた「学びのデザイン」 豊かな人生をかたちにする19の実践フィンランドで見つけた「学びのデザイン」 豊かな人生をかたちにする19の実践感想
生涯学習に関する施設と社会制度を広く浅く紹介。子どもから大人まで健常者、障がい者関係なく学び・暮らす仕組みを実践するフィンランドからのレポート。すごく読みやすい。
読了日:6月6日 著者:大橋香奈,大橋裕太郎
「統治」を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会「統治」を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会感想
リトルピープルの中を動き回り、新しい社会の創造に向けて活動するガーデナーの存在が面白い。
読了日:6月5日 著者:谷本 晴樹,淵田 仁,吉野 裕介,藤沢 烈,生貝 直人,イケダハヤト,円堂 都司昭
「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)
読了日:6月2日 著者:安田 雪
動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか (中公新書ラクレ)感想
SNS、クラウドファンディングが群衆活動にどんな影響を与えたのかを東日本大震災、イギリスの暴動など国内外の事例から分析。グラウンドファンディングが変える資金調達とその可能性には大変魅力的。ファンクラブ的なノリから生まれるつながりをムーブメントにまで昇華するハードルが下がるのではないかと指摘している。愛着が引き起こす変革がNPOやファブリケーションに与える影響は大きそうだ。
読了日:5月7日 著者:津田 大介
「当事者」の時代 (光文社新書)「当事者」の時代 (光文社新書)感想
戦後の日本史、メディア史だけでなく国外の社会運動から日本人の性質を多角的に表した良書。可哀想な人を作り出し、マイノリティに憑依してしまう性質の指摘が鋭い。ユニバーサルデザインもそれによるものだと考えられる。介護もする人/される人の二項対立でなく包括的に考える当事者性の獲得こそがインクルーシブデザインなのではないだろうか。
読了日:5月4日 著者:佐々木 俊尚
つながり進化論―ネット世代はなぜリア充を求めるのか (中公新書)つながり進化論―ネット世代はなぜリア充を求めるのか (中公新書)
読了日:2月25日 著者:小川 克彦
体制維新――大阪都 (文春新書)体制維新――大阪都 (文春新書)感想
繰り返し繰り返し関係を整理しようと述べられている。大枠のフレームを組み直すことを政治活動の本筋としていることが良くわかる。詳細は行政でとあるので実行を期待。しかし、文章が読みにくくてもったいないのと所々に出てくる平松元市長へのネガティブキャンペーンはいかがなものかと。
読了日:2月20日 著者:橋下 徹,堺屋 太一
階級都市: 格差が街を侵食する (ちくま新書)階級都市: 格差が街を侵食する (ちくま新書)感想
都市構造感の格差が経済格差によって広がっているとしてき。マタイ効果がより顕著に表出してきいると。
読了日:2月14日 著者:橋本 健二
仕事の中での学習―状況論的アプローチ (シリーズ人間の発達)仕事の中での学習―状況論的アプローチ (シリーズ人間の発達)
読了日:2月7日 著者:上野 直樹
SQ “かかわり”の知能指数SQ “かかわり”の知能指数
読了日:1月25日 著者:鈴木 謙介
これからの日本のために 「シェア」の話をしようこれからの日本のために 「シェア」の話をしよう
読了日:1月19日 著者:三浦 展
弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)感想
311以後、貧困や格差に対する意識が上がる一方で、それまでの貧困層や社会的弱者に対しての意識が薄まっていると指摘されている。読みやすく良くまとまっていると感じたが、ではどうするのか、に対してはあまり踏み込まれていないように感じた。
読了日:1月18日 著者:阿部 彩
ブランドをデザインする!ブランドをデザインする!感想
経営のため、デザインのための書籍でもなくブランディングのための書籍。企業の持つコンテンツをいかに正しいカタチで伝えるのかをビジュアルデザインによって実践されている。経営者とデザイナーの関係、目線がより近い形で行われている点に興味を感じる。
読了日:1月9日 著者:西澤 明洋
一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル感想
制約と裁量の変化が起きる。動的な尺度が生まれる。公共の認識が変わって、公共建築コンペと審査員と地域住民の関係が変わって、とかいう妄想を掻き立てられる内容だった。
読了日:1月7日 著者:東 浩紀

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