続「仕事をしない日」シャツが出来るまで。

「え、パンチくんって2コ下だったの!?3歳くらい年上だと思ってたわ!」今年に入ってからこのやりとりが3回ほどありました。老け顔の星に生まれた私は、思い起こせば、中3の15歳から社会人と間違えられ始めたのです。大須矢場町へ買い物に出かけると「今日はお仕事お休みですか?」とショップスタッフから声をかけられ、「いえ、まだ学生です。」というやりとりに慣れはじめた頃、まさか『仕事をしない日』と刺繍されたパーカーを来て過ごす将来が訪れるとは予想だにしていなかった。そして今回、パーカーに続いて『仕事をしない日』シャツが届いたので報告をしたい。

「仕事をしない日」パーカーの反響


「仕事をしない日」パーカーが出来るまで - ケンチククラブ

「仕事をしない日」というテキストが浮かんできた理由は前回のブログでも書いたように、大学院で働く場所の研究をしていたことやフリーランスというライフとワークが曖昧な生活をしていることが影響して浮かんだものだ。UNIQLOの素晴らしいマスカスタマイゼーションサービスをブログにまとめたところ、Gunosy*1Facebookのシェアが影響してPVが大幅に増えたことに驚きました。何人かの人は文面をそのままとり「フリーランスの仕事は大変?」や「そのパーカーを着る日なんてあるんですか?」などと聞かれたり、さらには「仕事は選ぶな。」というありがたいご批判も頂戴しております。

僕は仕事をしない日パーカーは仕事をしている日にも着ています。仕事をしない日パーカーを着て打ち合わせをしたり、仕事をしない日パーカーを着てドキュメントを作成していたり、仕事をしない日パーカーを着て午前5時まで展示の設営をしていたり。もちろん仕事をしない日に仕事をしない日パーカーを着ていることもあります。先日、久屋大通公園フリーマーケットに出向いた時は、「今日は仕事がお休みなんですか?」と待ってましたと言いたくなるようなコミュニケーションを取ることも出来ました。仕事中に来ていることは労働時間が伸びがちな日本の労働環境へ皮肉を込めているとはいえ決してひとりデモやプロパガンダのたぐいではなく、NEW YORKとかBROOKLYNと書かれたスウェットと同じような感覚で着ています。

パーカー、そして、シャツへ

パーカーが出来たことやPV数が伸び、作りたい欲求がむくむくと膨れ上がってきました。ワークキャップやネクタイもいいかなと考えていたのですが、まずはもともと考えていたようにオックスフォードシャツでつくってみようと。今回は自分のためだけにつくるのではなく、周りで「欲しい!」と声を上げてくれた人の分もつくることにしました。4人の先輩・友人が手を上げてくれたので、自分の分も含めて6着を注文。(注文の仕方は前回の記事を御覧ください。)

そして今日到着をしたので、シャツ(ブルー・ホワイト)と前回のパーカーを一緒に並べてパシャリ。写真ではわかりにくいけれど、微妙にフォントの太さが異なっていて、シャツのほうが少し太いのが気になる。もしかしたら素材が違うから太くなっているのかもしれないし、発注先の工場が異なるから微妙に刺繍の設定が違うのかもしれない。フォントはどちらも楷書体なので、ほとんど全く同じような刺繍が出来上がるだろうなと想像していたので思わぬ発見だった。

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仕事をしない日シャツと仕事をしない日パーカー

マスカスタマイゼーションの限界

先のパーカーとシャツでの刺繍されたフォントの違いのように、マスカスタマイゼーションは企業の見えない権力に制約される。用意された選択肢の中から選び、発注することしか出来ないので、『仕事をしない日」』シャツに適した刺繍の調整をすることが出来ないことが課題として上げられる。その分コストが抑えられているとはいえ、システムにデザインが委ねられてしまい、創造性を伸ばすことが出来ない。その点では無印良品刺繍サービスの方が良く出来ているかもしれない。

もう少しフォントを細くしたいとかニッチなニーズ(デザイナーとしては当たり前の欲求だと思うけど。)への対応は結局できていないので、もう少しものを作っていくなら刺繍マシンを使える環境を手に入れるか、柔軟に制作の依頼を受けてくれる業者を探すほうが良いのかもしれない。何より作り手の顔が見えるので、刺繍ミシンをすんげー使いこなすおばちゃんがいたら僕は「ああして。こうして。」と相談できるおばちゃんに頼みたい。でも、見つける・出会うのが難しい…。

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次は別のサービスへ!?

2つ目の仕事をしない日シャツが手元に届くと、やっぱり続編をつくりたくなってくる。先に上げたワークキャップの他に、日めくりカレンダーもつくりたい。そして、出来る限り既存の仕組みに相乗りするかたちで、小ロットのものづくりをお願いしたいと考えている。個人のものづくりではどうしてもイニシャルで出せる予算はわずかだ。また、わずかでもお金がちょこちょこと入ってくるような仕組みをいくつか持つことを考えているので、欲しいと手を上げてくれ人の分だけ制作することが出来るというのはとても心強い。さて、次は一体どこで何をつくろうか。

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