ジェンダーの向こう側に

何がきっかけはわからないけど、昔から自分の中にある「男性性」について思うところがありました。それはしょもない下ネタがきっかけか、妹たちへの罵詈雑言に対する親からの叱責だったかは分かりません。「お兄ちゃんでしょう」や「男なんだから」みたいなことは小さな頃から言われてきたけれど、理性的になった今、どれだけ有効だったのかは分かりません。だからこそ、仮初の男らしさを、男性性の防護服を、捉え直すために少しばかり読書をしています。

 

フェミだ、ミソジニーだに興味があるわけではありません。家庭ってなんだろうか、社会ってなんだろうかに興味があります。その興味が人生にどれだけの影響があるかは分かりません。少しでも自分の環境が変わるきっかけになればいいなと思ったからです。まちづくりが「ダサくて」「マッチョな世界」だと言われることへの反抗なのかもしれません。自分の置かれる環境を少しでも変わるきっかけを見出したかったからかもしれないのです。

 

今読んでる「男らしさの終焉」は、考えた方のヒントをくれる書籍です。女性らしさが未来を語るのに対し、男らしさは過去の栄光にすがっていると指摘する本書は、僕が感じる生き辛さを少し緩和してくれます。男性性を肩の荷から下ろすことを許してくれる優しい本です。アメリカやヨーロッパと分脈は異なるけれど責任を放棄するのではなく、無駄な責任を取る必要のなさと新しい道筋を示してくれるそんな書籍。社会包摂性や地域を優しく包む未来を考えるいい一冊となりそうです。

 

男らしさの終焉