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はじめに。

挨拶

このブログはPNCH(パンチ)ことKAKERU Asanoのブログです。主に建築やデザインを中心としたエントリーを書いていこうと思っています。よろしくお願いします。

■Profile
PNCH (パンチ)
1987年生まれ。男。フリーランスデザイナー・リサーチャー。京都工芸繊維大学大学院修了。CONNECTARIMATSU PORTAL; PROJECT共催。
連絡先 pnch.0924☆gmail.com (☆を@に変えてください。)
趣味 読書、DJ(Sbstrm)

pnchさんの読書メーターpnchの最近読んだ本

amazon ウィッシュリストを公開しました。勉学の支援を期待します。

30年後から考える伝統工芸

思考
2045年、少子高齢化の進んだ日本国は、細やかな気遣いと地域間の分業によって築き上げた輝かしい時代の産業から遠くの世界に届いていた。これまで1から10の段階を経て仕上げたものを製品と呼んでいたものづくりから、1から6で戦略的に途中でやめるものづくりにシフトしていった。残りの7から10は消費者やクリエイターに委ねられ、生産のシェアが実践されている。全体的な生産人口の減少に伴い、幼少期から生産教育が科目に加わり、図画工作や技術家庭科の授業時間が30年前より圧倒的に増えている。

生産する消費者として活動する人々(プロシューマー)の割合は先進国でもトップクラスとなり、メーカーはこぞってプロダクトアウトからマテリアルアウトへと体制を変更した。ホームセンターよろしくファストファッションブランドはそのカスタマイズ性を売りにし、衣服の部材やらしきものを取り扱っている。このマテリアルシフトの中で特に顕著なのが、かつてBtoBしか行って来なかったメーカーがBtoCに踏み切ったことだろう。この時代に製品として取り扱われているものにおいて、21世紀初頭のプロダクトとマテリアルほど差異がなくなってきていることにある。

そのため、かつては地方の手工業であった伝統工芸の再興が著しい。産業の中でブラックボックス化されていた製造や加工がオープンになり、作り手であり使い手でもあるプロシューマーたちは再び産地付近で生活をするようになった。伝統工芸の職人は相変わらず後継者不足で、問題は解決の糸口をつかめていないが、その年齢や能力でできるなかで生産し続けられるようになったことが大きい。

1から6の段階でユーザーの元へマテリアルが届くようになると、4から10にすることを手助けするようデザイナーの役割も変化していった。最終製品の展開可能性を示すとともに、マテリアルとなる前次元の素材メタ・マテリアルの開発から関わらなければならなくなった。このときに最も作り手と近い距離で製造、対話、試作を行える伝統工芸の世界は重要な領域のひとつとなった。私たち自身が生産に加わる、民主化された生産が伝統工芸のなかで達成されたことで、次の社会のものづくりの可能性が見えてきたようだ。大きな力ではなく小さな力を駆使して生まれる製造の進化を私たちは再び追いかけたい

参考動画

オープンスタジオを終えて

思考 有松
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個人事業主として登録してから5月で丸2年となる。その節目に先駆けて2016年4月17日に借りてから半年以上経った有松の事務所でようやく事務所開きをすることができた。一緒に事務所を借りるグラフィックデザイナーの武村彩加さんと我々も活動するARIMATSU PORTAL; PROJECTのメンバーである建築家の松田孝平くんとともに。

今回は展示に向けてコンセプトは立てなかった。今生で動いている状況を提示しつつ、この場所で何かが起きそうな予感を共有したかったからかもしれない。武村さんはさすがに僕よりも早くフリーとしての活動を始めていることもあり、すごい仕事量だった。卒業後はパッケージから始まり、イラストも自分で描き、今ではエディトリアルまで展開している。思い起こせばAPPでのフリーペーパーで武村さんがエディトリアルデザイン、僕が編集構成をして配布していたところ次のフリーペーパーを呼び、さらにそれが別の仕事につながって今も継続していることはとても嬉しい。

僕自身もわずか2年ばかりの間にあっち行ったりこっち行ったりする脳みそを整理するにはとてもいい機会となった。〈YOSANO OPEN TEXTILE PROJECT〉〈GoodJob! プロジェクト〉〈障害者福祉施設×菓子製造販売事業〉などで製作したプロトタイプやリサーチツールなどを出しつつ、research through/ into/ for designを分類した。そこで見えてきたことはやはり歴史や文献からたどるintoの領域、つまり、執筆や研究を割くことができていないことだろう。今年はもう少し活動について活字で残すことを考えていきたい。

友人知人恩人だけではなく、街の人もふらりと入ってきてくれたこともあり、想定よりも多いおおよそ50名程度の来場となった。末文ながら有松まではるばる足を運んでくださった皆さんにお礼を申し上げます。今年は拠点を整備したので、有松から発信していくことを意識していきたい。名古屋におこしの際は是非お声がけください。

メタデザイン: 対話のためのアイデアワークショップ

有松 思考
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原研哉藤村龍至は予てから、デザインをデザインすることにより、これまでに見られなかった共創や創発といった他者性の獲得を目指したデザイン言語を目指してきた。学術的な領域では『デザインを支援する環境をデザインすること』を「メタデザイン」と指し、昨今のデザインリサーチャーやファシリテーターと呼ばれる職能の一つとしている。メタデザインでは、ワークショップよ成果物として生成されるスケッチやプロトタイプを重視するのではなく、スケッチやプロトタイプの背景や生まれたものを通してデザインが乗るシナリオを再考することに目的を見出している。

先日、有松の染工場にてヨーロッパからテキスタイルデザイナーを招き入れたアイデア・ワークショップを行った。ゲストに地元で絞り染色に従事するクリエイターを2名に声をかけ、テキスタイルやアパレル、プロダクトや建築などに関わる学生と社会人8名程度が参加するものだ。スーパーバイザーとして欧州のデザイナーと染工場の社長を置き、14時から17時までにたくさんのアイデアを出すものだ。
プログラムはおよそ3部構成となり、アイデア出しとグルーピングを2回行い、最後にプレゼンテーション。初回のアイデア出しは体験や記憶をキーワードとして記述し、二回目はゲストクリエイターがピックアップしたキーワードに具体的なイメージを与えていくもの。そして、そのイメージの総和が何を指しているのか、改めてグルーピングして、プレゼンテーションを行う。最終的には二つのグループから「小人のような視点」で「包まれた感覚」を感じさせるアイデアや「ポータブル」で「ライフログ」を生かす媒介としてのアイデアが出された。

さて、今更ながらこのワークショップの目的を記したい。とあるプロジェクトにより、国外のデザイナーと話を進めるにあたり、オンラインでのやり取りでは互いの強みや興味を理解することは難しい。言語や文化だけでなく、生活習慣や価値観まで異なる場合がほとんどだ。そのため、今回のワークショップでは、「共有する価値観の表出」、「デザイナーが創造する過程・動機」、「職人とデザイナーの関わり方を模索」するために設計された。つまり、プレゼンテーションまでに記述されたキーワードやスケッチなどをテキスタイルデザイナーや絞染色職人がどう肯定するのか観察していたのだ。スーパーバイザーの2人には、「具体的な項目を挙げて賛同すること、共有することを教えてください」と伝え、プログラムの中に発言を促す場面を設けていた。

こうして得られた共有するキーワードをもとに、翌日の振り返りでは、「デザインのアイデア」を見出していく。なぜそのような共感をしたのか追加インタビューをしながら、デザイナーと職人の価値観を見えるようにし、対話を促す。今回のワークショップでは、日本人が日常的な驚きや発見をもとに創発していたことを欧州のデザイナーは驚いており、彼女自身の制作には「えも言われぬ感情」や「蓄積されてきた人生経験の爆発」が起因していることが発見できた。そのため、単なる「◯◯風なデザイン」と言った抽象的な発注にするのではなく、より具体的な体験を引き起こすデザインの発注になることが予想できる。このように「メタデザイン」によるワークショップとは、作風やイメージが先行した「置き換える」発注(浴衣地に洋風な柄をあてがうなど)ではなく、作家のインスピレーションを高め、互いが目指す価値観を共有する対話の機会となるだろう。

プロッタとチャコペンで消える下絵を描く

有松 思考
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《用意するもの》
  1. silhouette CAMEO 2
  2. silhouette CONNECT(米国版サイトからダウンロード購入)
  3. ボールペンプランジャー
  4. チャコペン、または青花ペン
  5. コットンの布
シルエットカメオ2にAdobe Illustrator CC2015から吐き出すことができるsilhouette CONNECTを購入し、チャコペンをプランジャーを差し込む。もしハマらない、ゆるすぎる場合はプランジャーかペンを削って取り付ける手もある。

高さ方向などの細かい数字をソフトウェア上で調節し、吐き出す。オリジナルの台紙は12×12inchなので、長い布にしたい場合は0.5mm厚くらいの塩ビシートを40cm×120cmほど購入し、スプレーのり(3Mの55くらいがちょうどいい)を吹きかけ、生地を貼り付けてずれないようにして使用すること。使用後は、のりがついた綿を内側に、くるくる丸めればいい。

《出来たこと》
  • 小幅よりもう少し小さな30cm幅の生地ならドローイングできる。
  • データから直接生地に下絵を描くことができる
《課題》
  • ペンが接触するのでわずかにずれる
  • シートと布をはり合わせる時のシワによっては、描くことができない
  • 長い生地を使うと、横のズレを制御するのが難しい
シルエットカメオでは、理論上、3m程度までカットできるらしいが、そのためには台紙がずれないような治具をつくらないといけないかもしれない。
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