産地応答/応答産地

AI(特に大規模言語モデル)が驚異的なスピードで発達するなか、超共創的なデザインリサーチのプロジェクトとはなにかを考えないといけないですね。

社会に出てから情報科学の世界にはやんわりとアンテナは張っているものの、プログラミングなんてほとんど触っていなかったですが久しぶりにPythonを勉強して、僕からしてみればまだブラックボックスとも言えるライブラリーとデータセットを使っていろいろ試していました。

Colabで実験したchatGPT-3.5-turboはきちんと伝えたつもりでも中途半端な回答しか来なかったり、物体検出プログラムYOLOは検出してくれるけれどその先はこっち次第だったり。彼らはお付き合いの仕方がとても純粋です笑

地域や企業の課題に対して専門家として入って意見をもらったり、データ分析をともに進めたり、異なる手法で同時にデータを見たりすることがすでにできるようになりつつあります。適切に定性調査と定量調査を選択し、少ないメンバーでも人力とAIで共創し、測るだけでなく継続的に実施し、コミュニティとして適切なスケールにしていくことはまだ人の手に委ねられているとはいえ。

名古屋市という大きな都市で生活をしている一方で、有松という工芸の産地を拠点に活動していると、物事を異なる軸で捉えるようになってきました。ものをつくる時間も、人の経験も、手にする素材も。残されている時間があと何十年あるのかということも。

ますますと少子高齢化や資源枯渇が進む中で、人以外の生物や知能とも付き合い、必要なマテリアルを循環するように生成し、あたたかみのある活動をできる体制を産地に整えることを「産地応答」と、そのようなプロジェクトが動き続ける場を「応答産地」勝手に名付けてみようと思う(ティム・インゴルドに触発されながら)。ポスト人新世時代における産地の営みについて考えながら、プロジェクトの企画を考える夜。

StrongSORT-YOLOを使って生成したgif