伊根の舟屋を見学してきました。

先日、大学のTAで伊根の舟屋に見学へ行ってきた。
ここは漁村で全国初の重要伝統的建造物群保存地区だ。その時目に止まった住民の知恵が面白かったので紹介したい。

 

右の写真は紐と針金というとてもシンプルな材料で魚を干すための装置が電信柱にひっかかけてある様子。しおりにもあったように伊根の舟屋が現代化していったことは現地視察でよく分かった。(沿岸部の舗装、生活道路の整備によって舟屋と住宅が切り離されていく。)それと同時に文化である漁業の装置も現代化していった様子が予想できる。
舟屋を見ているともともと干すための装置が住宅についている、または干す場所が外にあった。生活道路の発達で舟屋と住宅が切り離されていくに連れて漁業の装置(私:舟屋)まちを繋ぐ装置(公:道路)生活の装置(私:住宅)と機能が分かれていったようである。
そこでその中間にある公共物「電信柱」を私的な干物を干すための装置と利用し、住宅↔舟屋の切断を緩やかに繋ぐ装置としてこうした利用がされているのではないか。私はこれを都市部住宅における玄関前のガーデニングと似たような風景と捉えられた。