人口爆発、食糧危機を迎える2050年に先駆けて昆虫食〜セミ〜を今年も食べてみた

有松美食倶楽部、通称ABCへようこそ。今夜の食材は夏の風物詩、そう「セミ (cicada)」だ。特別にオーソドックスに「アブラゼミ」、大きくて香ばしさが増す「クマゼミ」、小さくて柔らかな「ニイニイゼミ」を用意させてもらったよ。朝から昼にかけて養殖場、大高緑地公園で採れたばかりのフレッシュな食材さ。

調理方法は単純だ「煮る→割る→揚げる→味付け」という手順。昨年はセミチリとセミマヨを用意したけれど、今夜も食材の味を楽しむために「素揚げ」、新たたに柔らかい衣で包んだ「天ぷら」と食材とのハーモニーを楽しむ「かき揚げ」を用意したよ。素揚げはセミの香ばしさを引き立て、芋のようなアーモンドのような風味を感じることができる。たしかに殻の付いたエビのようでもあるね。

おっと、お嬢さんたちにはもちろん甘いものを用意したよ。素揚げしたセミに塩コショウの代わりに、シナモンシュガーを振りかけたこいつはいかがかな。スナック感覚でサクサクいけるだろう。シナモンとセミの組み合わせは、思った以上に食欲をそそるね。さらにさらに、食後に用意したのはブラックチョコレートでコーティングされたセミを乗せたバニラアイス。冷やしたことでアーモンド風味が強調され、チョコレートとアイスの組み合わせも最高だ。

どうやら皆さん、ご堪能いただけたようだね。素揚げしたときにはあまり感じなかったセミ自体の味も、調理方法や素材の組み合わせを変えたことでかなり感じられたようだ。チョココーティングとバニラアイスの組み合わせで引き立たされた、セミが持つアーモンド風味は本当に想像を遥かに超える美味しさだ。

お腹の鳴る音が聞こえたようだが、次年度の開催を待って欲しい。次はもう少し調理を楽しんで見ようと思っている。酸味と合わせた南蛮漬け、爽やかに大根おろしと合わせて、大葉とチーズの組み合わせはどうだろうか。おっと、早くも来年が待ちきれない方々ばかりのようですね。申し訳ありませんが、少々お待ちください。それでは次回まで、ごきげんよう。(画像は続きを読むから)

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料理と掃除の好きなところは、その過程

新しい環境での生活が始まり、はや2週間。寝ては起きては仕事に繰り出し、帰宅しても仕事して寝る生活。ゆっくりしているヒマがなかなか取れないのだが、今夜は久しぶりに料理をしてみることにした。
一緒に食べることはできないけど、一緒に過ごす時間を想像しながらメニューを組み立てる。スーパーで食材を買い、帰宅して少しずつ調理。野菜だった食材が具材に変わり、食事に変わっていく。野菜だったものが皮となり、皮が生ゴミとなり、廃棄物に変わっていく。これまでも美味しくご飯を食べていたけれど、僕の生活から失われていた「間の連続」が見える。
美味しく食べ、皿を片付ける。なんとなく部屋も片付ける。モノが整理されていくようて、人の輪郭をなぞっているようでもある。整然とした状態にあこがれているのでなく、生み出されていくような、壊れていくような「間の連続」を楽しんでいるんだと気がついた。
普段の仕事と同じような間隔で生活をしているのか、生活が仕事に生かされているのかわからない。なんとなくうれしい発見だった。

京都工芸繊維大学 KYOTO Design Labのパブリケーションマネージャーに就任しました

2017年4月3日より、母校である京都工芸繊維大学 KYOTO Design Labの特任職員を務めることになります。月曜日から木曜日は京都で生活を、金曜日から日曜日は名古屋で生活をする2拠点活動です。

 

本組織では海外の教育機関やクリエイターを大学に招聘し、産官学連携などさまざまなプロジェクトを実行しています。僕はパブリケーションマネージャーの肩書で活動し、広報PRやメディアの制作運営などを担当していくことになります。KYOTO Design Labの活動は、リンク先をご覧ください。 (http://www.d-lab.kit.ac.jp/)

少なくとも今年度いっぱいはこれまで同様に名古屋での仕事を行っていますが、一部制限しての活動となることをご容赦下さい。D-labのパブリケーションマネージャー、DESIGNEASTのプロジェクトマネージャー、名古屋ではデザインリサーチャー/サービスデザイナーと片仮名で殴りつける肩書き。これまで以上に怪しげに、楽しく、動き回っていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします!

 

そして、KITの先輩後輩同級生のみなさんは就職説明会だったりで、来るときはぜひ連絡下さいね!久々の京都なのでむちゃくちゃ楽しみです。ご飯などさまざまなお誘いの連絡、お待ちしております!!

名古屋の魅力を発信、SNUG CITY NAGOYAの取り組み。 名古屋はシティプロモーションの先に何を見るのか、僕たちは何ができるのか。

snug.city.nagoya.jp

名古屋市が仕掛けるウェブプロモーション。今回はオウンドメディアを手がけているようで、芸能人だったり地元を知る人と疑似観光をするという内容。浅井健一さんのような名古屋出身で名古屋好きな人へのインタビューが続くのかな。次のインタビューは誰か少し気になります。

しかし、正直な感想は『本当なのか、これ…。コンテンツもデザインも、、』という内容です。一体誰が、どのような時に、どうやって見るのか。そして、なぜこのサイトを見るのか、が設計できているようには思えない。
でもこれって、ウェブデザインやコンテンツを制作している側の問題ではなくて、発注者側、つまり名古屋市が整理できていないからなんじゃないかな〜。

そんな否定的な印象を持ってしまったのですが、僕自身が一番関心があるのは、ページ下部にある「名古屋魅力向上・発信戦略」というPDFです。OTHERと隅に追いやられているけれど、重要な整理がされている。暴力的にまとめると、10年間で名古屋の①イメージ刷新、②愛着醸成、③発信!発信!発信!を行う計画だということです。名古屋市が市民と一緒に発信した先にどんな未来を思い描いているのだろうか。受け取った側は何ができるのだろうか。僕も未来に向けてどんな動きをできるのか考えていきたい。

例えばだけど、ベルリンは2030年までこういう戦略で進めるって方針を発表しています。 BerlinStrategy Urban Development Concept Berlin 2030 (PDF)
続いてこっちはNYCが出しているOne New York The Plan for a Strong and Just City (PDF) です。僕は当たり前だと思うのですが、きちんと目標Visionと手続きStrategyを出している。やりっぱなしじゃなくて、きちんと評価するということですね。名古屋市はたぶん、これ。名古屋市:名古屋市基本構想(市政情報)です。デザインを軸足にもっとできることはあるはずだと改めて認識しました。頑張ろう。

デザインの1, 3, 5, 10年後

年度末は行政関係の仕事が続くため、どうしても毎日があっという間に終わってしまう。日々、仕事をこなしながらこうした日々がいつまで続くのだろうかと考えるときもある。あこがれの建築家やデザイナーと衝撃の出会いをした8年ほど前、彼らは30-35歳でリーマンショック以後のクリエイティブ業界に身を置きながら、なんとか新しいデザインの言語や態度を模索としていた。デザインする状況をデザインすると始めたDESIGNEAST (大阪)、議論の場を設計するLIVE ROUND ABOUT JOUNAL (東京)、今何をデザインしているのか伝えるDESIGNING? (福岡)など、自主プロジェクトを立ち上げて態度を表明し、わからないことに立ち向かいながら議論を巻き起こしていく。SNSの隆盛期とも合わさり、twitter実況やその場で発行などリアルタイム性の高い情報環境が設計され、僕自身も議論の輪が広がっていくのを肌で感じていた。
そして、その時に感化された学生たちも30代を迎える。私も今年30歳になる。置かれた状況はかなり変わっている。私たちの世代は氷河期の再来、大学院へ進学しても就職率は低く、特にスーゼネや大手広告代理店へ行く同級生は数えられる程度だった。今ではオリンピックや地方創生によってばらまかれた文化予算が潤沢となり、クリエイティブ業界は今では新卒採用に躍起になっている。そんな未来はいつまで続くのだろうか。

1年後、2018年。東京オリンピックまであと2年、主要都市の建設ラッシュはまだ続く。インバウンドによって宿泊施設は増え、民泊の法整備が進む中、リノベーションなど投資物件も増加が予想される*1。地方の情報を第三者が"良い感じ"に伝えるローカルメディアが更に増え、ローカリティが抽出されたクオリティの高いお土産が増えつつある。

3年後、2020年。東京オリンピックが開催され、国内は特需。前後3ヶ月はオリンピックついでに日本を訪れた観光客がいろいろなところを訪れ、国民の宿泊や移動に影響が表れる。旅行・文化・歴史フリークスによって、日本人が忘れてしまっていたようなエリア、モノ、人柄などが再び脚光を浴びる*2。自分で作って自分で売るといった小商いを試みをする兼業デザインナーが少しずつ増え、議論の場はさらに縮小する。

5年後、2022年。地方創生・文化予算が縮小され、元気だったNPOや広報は市場を刺激しようと試みるも財布の紐が固くなっている。ゼネコンは海外へ仕事を求め、英語を使えるデザイナーもソーシャルデザインやマーケットを求めて途上国に。国内で不満と焦燥に駆られた若手デザイナーらが自主的な企画を立ち始める。国内か国外か、行政か企業か。小商い系など第3の道について。

10年後、2027年。シンギュラリティを経て、AIがクリエイティブ業界に本格参入。○○なデザインはプログラムで起こされ、文字詰めや微妙なズレを直すオペレーターとしてのデザイナーと独創的なスターデザイナー。スターとオペレーターの間にいたローカルデザイナーがどんどんプログラムに置き換わっていく。Adobeがデザインのソフトウェア会社からAIを用いたデザインのサービス会社へ。プログラムのオンとオフをするだけの自称デザイナーがボタンプッシャーと呼ばれる。人間が人間のためにデザインする道理を探求するデザイナーが表れる。


このストーリーはあまり嬉しくない未来だが、完全に無いと言い切れないのが怖い。こうなるかもしれない(最悪な)未来の中で、デザインリサーチャーとして僕は何ができるのか。これまでにカバーする領域とみなされていなかった領域に目を向けること、これに尽きる。これはデザインリサーチャー自らがグラフィックやウェブをデザインしようということではない。紙とかウェブと行ったオブジェクトでない、福祉や金融などのサブジェクトに目を向けるということ。拡張される体験のデザインを更に広げ、具体化させること。そのために知らなかればわからないことに目を向ける。

身の回りのことを知っているつもりで仕事をしているとあっという間に活躍の場はなくなる不安と向き合いながら。

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*2:e.g.) 海外反応! I LOVE JAPAN  : 外国人女性「日本のカプセルホテルに泊まってみたよ!」 海外の反応。 http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51929418.html