カッティングプロッタを使ってシルクスクリーンの試作

カッティングプロッタSilhouette CAMEOを使ってシルクスクリーンをしてみた。

手順
0. 道具
1. 紗張り
2. 版作り
3. シルクスクリーン印刷

0. 道具

  1. Silhouette CAMEO…¥30k程度
  2. カッティングシート…¥1.5kで900mm*1800mmサイズをホームセンターで購入
  3. 枠を作る木材(サイズは適宜)…余っていた木材で0円(実質¥1k以下)
  4. 木材を留めるボルト…余って(ry
  5. 養生テープ…余って(ry
  6. シルクスクリーン用インク…amazonで¥1k
  7. シルクスクリーン用ヘラ…amazonで¥1k
  8. スクリーン(テトロン #120)…画材販売.jpで¥3k
  9. 木工用ボンド…余って(ry
  10. アイロン…家のやつ0円
  11. アルミ箔…家のやつ0円
  12. Tシャツ(刷るものに合わせて準備)…¥0.4k

――――――――――――
合計:¥37k程度
※CAMEOも持っていたので実質¥10k以下

1. 紗張り

 テトロン #120 を購入。木枠をボルトで留めて組み、紗を貼り付ける面に木工用ボンドを厚めに塗り、乾かしてから二度塗り。網に水をスプレーで吹き付けながらアイロンで角から四方を熱溶着していく。ボンドがアイロンについてしまうことがあるので、アルミ箔を被せて防ぐ。専用の機材とかあったほうがいいのかもしれないけれど、安くしたかったので購入せず。(割と力入れて引っ張りながらなので二人一組でやるほうが綺麗に貼れると思います。)

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2. 版作り

 Adobe Illustratorで適当に。版は紗の外側に貼り付けるため、最終案を左右反転させてCAMEOでカッティングシートを切り出す。外側に貼る理由は後述。なお、Core Drawや付属ソフトでも版は作成可能。Illustratorを使う場合、プラグインを使用することで直接書き出すことが出来る。

3. シルクスクリーン印刷

 紗の外側にカッティングシートを貼り付ける。内側に接着すると、ヘラでシートがずれる場合があるので注意。当然、転写シートがあると貼り付けやすい。余計なところにインクがつかないように養生テープを内側から貼り付ける。
 インクが裏移りしないように段ボールシートなどをひき、紗を所定の位置に設置。気持ち多めにインクを乗せ、ずれないように枠を手で抑えながらヘラでインクを上から下へ、下から上へ刷る、を二回行なう。枠を取り外し、インクが他所につかないようにしてインクを乾かす。その間にスクリーンを水洗いしておく。再利用する場合は、外側を洗うときは慎重にカッティングシートが剥がれないように洗うこと。スクリーンを乾かして使うこと。

http://instagram.com/p/pk9B-mKe62/
試しにTシャツへ刷りだしてみた。

感想

 手際が悪かったのか、カッティングシートの限界なのか、エッジが綺麗に出ていないことが気になる。実験で作成し、検討する分には問題ないけれど、よく見ると気になるレベル。ここは要練習かもしれない。
 カッティングシートで制作する良さは、簡単に版を作成できることに尽きる。データを残しておけば再利用も簡単。枠をひとつ作ってしまい、シートを剥がして別のを貼り付けることで色々な柄を試すことが出来る。少量多品種生産をする人にはぴったりのものといえるでしょう。

追記

着てみた

http://instagram.com/p/pleibNqe3B/

CHABO勉強会 米澤隆氏レクチャー+水野太史氏常滑WSについて@京都

昨日は京都の向い、CHABOの勉強会で米澤隆さんのレクチャー+水野太史さんの常滑ワークショップに関するディスカッション。5時間くらいぶっ通しでレクチャーとディスカッションが同時に起きる知的空間が京都にあることが素晴らしいと強く感じる。

米澤さんの「つくる」と「生まれる」の間というテーマは、分節と構成によって配置され直した空間が、人の振る舞いや意識の移ろいをどう生み出し許容すことが出来るのかというお話だと感じた。許容という観点から見ると大屋根の建築を複数作られていることになるほどと思う一方で、そんなことしなくても人は自由に振舞い、勝手に改変し、乗り越えてきているのではないかという疑問も生まれた。きっとこの話は、米澤さんの博士論文と繋がるであろうから次回に深く伺いたいところだ。若くから実施設計をされ、叩き上げで今に至る米澤さんの背景や疑問意識には共感できるところが多々あった。同じ名古屋にいるので一緒に何かする機会を得たい。

常滑にある水野さんのおじさんが現在経営する製陶園をどう活用していくかというディスカッションでは、教授、建築家、編集者、リサーチャーとそれぞれの視座に立った意見交換がなされていてすごく刺激的な時間だった。単なるWSをやりましょうということだけではなく、工場の方向性や関わり方、その仕組をどうつくっていくのか、伝えていくのかという広がりのあるものになりそうだ。19歳まで名古屋に住んでいたけれども、常滑は帰国してから初めて行き、それから3回も行っている。非常にポテンシャルの高と感じる地域なので、僕自身も今後も関わっていきたい。

そんな場所を名古屋にも作りたいという思いから、来週末25日より連続トークを有松で行います。詳細はこちらから。
ARIMATSU PORTAL; PROJECT
https://www.facebook.com/arimatsuportalproject

また詳しく記事を書きますが、とにかく、名古屋の人はチェックして欲しい。

一宮のいいビル

RRR MATERIAL展の設営を昨日で終えるはずが、一部修正が入ったので再び、一宮へ。

改めて会場である尾西繊維協会ビルが惚れ惚れするほどいいビルだった。昭和3年に清水組名古屋支店によって設計、施工された建築だ。尾西繊維は、名古屋市長者町の繊維問屋街を支える重要な存在であったらしい。

タイル張りの壁面、玄関周りの装飾、写真にはないが、3階ホールの装飾も細かい。アーチ型の開口とやはず貼りのタイルが可愛い。一方で、おそらくだが、室内の床を一部貼り直す際に木からビニールへと一部変更されているようなのがちと残念。こう言うところを綺麗にしてオフィスとして使いたいなぁ、と思いました。

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我々は、teamアラマチとして、3階で展示をしています。sectionviergeのドレスと燕尾服、そして形状記憶生地加工のパネルを展示しています。開催は、5月5日のみです。当日は、名古屋スリバチ学会の方が登壇されるイベントなんかもあるようです。

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関連書籍

いいビルの写真集 WEST

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いい階段の写真集

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展示に向けて

愛知・一宮で開催されるRマテリアルにむけて準備中。teamアラマチとい名義で有松の方と展示します。

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久野染工場がもつ形状記憶加工を分かりやすく説明し、その技術を用いて製作されたウェアの展示が行われます。僕はパネル製作と展示台の作成をしてるんだけど、今日は天気が悪かったので仕方なく家の中でペイント作業。家族が寝静まった中でひっそりと刷毛を握る時間は楽しいけれど、どこか家の外で作業出来る場所を確保したいなぁ。

もう少しお金が溜まれば有松の方で作業が出来るような場所兼事務所を持ちたいところ。町に入り込むことで存在感をアピールし、地域の協力を得やすい状況にして行きたい。

5/10 1600~ 「Processs vol.1展を巡る思考 素材/地域/デザインの実践」 にモデレーターとして登壇 #processs

大阪で始まる展示の関連企画として、ファッションデザインに従事される方々とディスカッションをします。アンテナの吉岡さんも僕も建築・都市畑の人間ですが、果敢にも他業種との接点を図ろうという試みです。トークタイトルからも想像が出来るように、サスティナビリティ、ソーシャルイシュー、グローカルがトピックとしてあげられるクリエイターに間口の広い企画です。

現在、登壇ゲストにメールで事前インタビューをしており、当日は会場にてフリーペーパーとして配布予定です。また、僕と吉岡さんのやりとりも収録される予定です。これらが非常に面白いんです!配布は多分、会場のみです。

当日分の座席も用意していますが、事前申し込みをされるとほぼ確実に参加できると思います。申し込みは下記のリンクよりお願いいたします。皆さまのご参加お待ちしております。


「Processs vol.1展を巡る思考 素材/地域/デザインの実践」

本展に参加した作家をお招きし、各作家の創作活動を比較し、普段とは違った視点で制作プロセスの中に潜む可能性や問題について議論し、共有していきたいと思います。

本展は、制作プロセスを作家がそれぞれの方法で開示し、共有するというものです。そのことは作家にとっては、異なる視点の導入であり、従来の作品を超えるヒントが得られたのではないでしょうか。来場者は普段知ることのない作品制作に隠れた物語りを知り、作品や作家の姿勢に対してよりポジティブな想いを抱く機会になことを願います。

このトークイベントでは、制作プロセスの中に潜む可能性や問題について、素材、地域、デザインというキーワードをもとに読み解いていこうと思います。この3つのキーワードは、作家の制作/実践の与条件となるものを挙げています。作家が予め決められた条件に対して、どのようなスタンスで取り組み、デザインとしてまとめ上げているかを、議論し共有するものであります。そして、現在のデザインが置かれている状況を踏まえ、既成の条件すらデザインの対象として捉え、取り組む、その姿勢から、作家の創造性と職能の広がりについて広く議論して行きます。

ゲスト:
田沼英治(ニットデザイナー/ウェブマガジン編集者)
村田裕樹(hatsutoki企画営業)
五十嵐勝大(proefプロデューサー)

モデレーター:
浅野翔(デザイナー/リサーチャー)
吉岡優一(media project untenor)

参加費:一般1,000、学生500、子供連れの方無料
WEB:Processs vol.1展を巡る思考 素材/地域/デザインの実践

vanitas No.002 | ファッションの批評誌

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fashionista ファッションの批評誌

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