食と持続可能性を家庭菜園から考える

ずっと興味のあった家庭菜園を今年の5月から始めています。まだほとんどまともに収穫はできていないけれど、日々成長するサニーレタスと向き合いながら天候について考えることもしばしば。本当にカンカン照りの太陽はあっという間に水を蒸発させるし、台風はあっという間に葉物をダメにしてしまう。

 

僕が始めたのはアクアポニックスと呼ばれる農法。簡単に説明をすると魚の飼育と水耕栽培を混ぜ合わせたようなものです。魚のフンが肥料となって野菜が育ち、土壌が濾過した水を水槽に返していく。環境循環型の農法として、ハワイなど世界中でその実践と研究が進んでいるそうです。僕はというと小さな水槽と数匹の金魚、そして栽培用のケースが2つという、とても小さなスペースを畑にしています。

 

食の生産にはもともと興味があったのですが、さらに興味を持つようになったのはエネルギー枯渇の問題に触れたから。すでに生態系が供給できる資源量と私たちが生活の中で消費する資源量は圧倒的に需要が多く、2021時点では日本人がこれまでの生活をおこなうならば日本7.8個分の資源がないとままならないとWWFは発表しています[*1]。スーパーで買っている農作物も生産流通の段階でさまざまなエネルギーを使用して、私たちの食卓に届いています。家庭からのエネルギー消費が15%程度とされるなかで、小さなアクションをまずは起こしてみようと思ったのです。

 

そこで始めたのが垂直栽培式のアクアポニックスです。面積は45×60cm程度で高さはスチールラック200cmほどです。狭い水槽スペースですが元気に泳ぐ金魚がかわいくて、毎日朝起きるとベランダに出るようになりました。ようやく栽培エリアにバクテリアも定着してきたのか、サニーレタスとモロヘイヤが元気に育ちつつあります。国土も住宅面積も狭い日本ではどんな取り組みが可能なのか、ベランダ菜園で自ら考えてみたいと思います。

 

 

[*1] https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/4687.html